北京
PM2.577
23/19
中日両国に関する民意調査をまとめた中日共同世論調査の結果発表会見が17日に北京で行われた。相手国への全体的な印象や中日関係などの項目について、両国の一般人がアンケートに答えた。調査が始まって今年で16年目、今年の結果は、両国関係における民意が堅固に欠け、引き続き相互理解を強める必要があることが示された。
この世論調査では「相手国に対する印象」は比較的分かりやすく、注目されやすい。今年の調査結果を見ると、継続的に高まり続けていたこれまでの状況が止まり、両国とも数字が下落した。中国側の日本に対する好感度は前年から0.7ポイント低下した45.2%、一方で、日本側の中国に対する好感度は昨年から5ポイント減少した10%だった。日本側の印象が良くない原因として、とりわけ今年のデータで去年の数字を上回ったのが、領土問題に関するものだ。これは近年日本メディアで良く取り上げられている内容だ。
一方で、ポジティブなデータもある。新型コロナウイルスへの対応や両国の経済協力の重要性に高い期待が寄せられた。両国の経済協力に関しては、「大切だと思う」という回答が日本では67.8%、中国では86.1%となり、両国世論が共に経済協力を重視していることが示された。また、新型コロナへの対応における国際協力の必要性に関しては、「必要だと思う」という回答が日本では72%、中国では88%と、いずれも高い割合になった。
中国で新型コロナが猛威を振るい始めた時、日本から届いた支援物資に書かれていた漢詩による励ましのメッセージは多くの中国人を感動させ、それ以来、両国間の相互支援がネットで話題になったことは今でも記憶に新しい。この一連の流れが民意調査にも良い影響を与えたことは間違いない。メディアの働きで民意を支えた代表的な事例ではないだろうか。
両国の民意の大幅な改善の道のりは長い。その中において、メディアは国民間の相互理解を助ける役割を担っている。両国の考え方に違いはあるものの、断片的に物事を捉えるのではなく、全体的に情報を伝えることを心がけることは両国メディアにおいて同じであろう。ましてや敏感な問題を取り扱う場合は、極端な感情や誤解を招かないようにより注意を払うことが大事である。今回の民意調査の結果は、正にそのことを再度気付かせるものであった。(CRI日本語部論説員)