北京
PM2.577
23/19
両国の作家同士による「中日作家交流会」が、11月6日にテレビ会議形式で開かれた。長引くコロナ禍を背景に新たな交流の形を模索するため、中国作家協会と日中文化交流協会が共催した。中国からは李敬澤氏や李洱氏、日本からは島田雅彦氏や中上紀氏など、計12人の現役作家が参加し、それぞれの創作環境や社会の変化について画面越しに紹介したうえで、新型コロナと文学創作との関連づけや、そこにおける作家の責任をめぐり率直な意見交換を行った。
中国作家協会と日中文化交流協会の交流の歴史は1956年に遡る。国交正常化前から、両国を代表する作家たちはすでに交流していた。そして近年は毎年のように青年作家の相互訪問などが行われ、ますます盛んになっていた。その交流史において、オンライン形式で両国の作家同士が交流するのは今回が初の試みであった。
オンラインの交流イベントといえば、11月3日に人気アイドルグループ・嵐のコンサートが中国でもオンラインで同時配信され、中国のファンを熱狂させた。コロナの影響で5月に北京で予定していたコンサートが実現できなかっただけに、今回の配信は中国のSNS上で大きな反響を呼んだ。Weiboの嵐公式アカウントからの告知は約1万回も転送(リツイート)され、「いいね」の数は3万回に迫った。300億円の経済効果が推測されている今回のコンサートに、中国のファンもまちがいなく貢献していた。
中国では早い段階からコロナの影響を最小限に抑えるためのオンラインの活用に取り組み、リモートワークや教育に限らず多くのジャンルで試行錯誤を重ねてきた。コロナ禍が文化交流を取り巻く環境や形を大きく変え、容易に会えない状況だからこそ、リモートの技術を駆使して心をつなぎ合わせることの重要性が高まっている。共に漢字文化を持ち、価値観の近い中日両国は、この危機をチャンスに変えて、いかなる状況にも左右されない文化交流の新たなモデルの構築を模索し、さらに飛躍させるべきだ。経済面では東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が調印された。今後は文化面でも新たな成果が生まれることが期待されている。(CRI日本語部論説員)