北京
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11月11日午前0時過ぎ、Eコマース大手の「天猫(Tモール)」と「京東(JD.com)」が相次いで今年の「ダブル11」の取引額を発表した。中でも、「天猫(Tモール)」は0時30分までの取引額が3723億元(約5兆7706億円、1元15.6円換算)で、「京東(JD.com)」は零時9分までの発注金額が2000億元(約3兆1000億円)超になり、いずれも過去最高を記録したという。
例年と違い、今年の「ダブル11」は早くも10月21日午前0時から前売りが始まった。これに先立って20日に、ライブ中継で莫大な影響力をもつインフルエンサーの薇婭と李佳琦がそれぞれライブ中継による商品販売(ライブコマース)を行った。中でも、李佳琦のライブ配信の視聴者は史上最高の1億6000万人を計上。二人のライブ中継が、累計で約78億元の成約金額をたたき出した。
これまでの「ダブル11」は、発送が集中することで、商品が通常よりもかなり遅れて届くケースが多かった。しかし、その点、今年は発送方法に改善がみられた。前売り段階で頭金を支払えれば、商品は確保され、11月1日に残金を支払った後、発送される仕組みに切り替わっている。アリババグループの物流プラットフォーム 菜烏網絡(cainiao)によると、最速では、残金支払いの完了から5分後に商品が届いた。確保された商品を事前に配送ステーションやコミュニティにまで届けておくという対応が、迅速な宅配につながったという。
新型コロナで高まった巣ごもり需要により、オンラインショッピングの利用者が速やかに増えている。「京東(JD.com)」は今年、「ダブル11」の前売り段階で、都市部と農村部の契約金額はそれぞれ117%と126%の増加が見られたと明らかにした。
さらに、海外ブランドも例年以上の活躍ぶりを見せている。越境EC専門の「天猫国際(Tモールグローバル)」の発表では、今年は84の国・地域の約2万6000ブランドが「ダブル11」の販促に参加し、輸入商品の成約額は前年同期比47.3%増を実現したという。中国から始まった「ダブル11」は、益々多くの各国の企業に販路拡大のチャンスをもたらした。
コロナ禍が経済に与える影響が続く中、今年の「ダブル11」では、中国は国内市場に潜んだ力強い購買力をもって、経済の回復にしっかりとした下支えを提供している。言うまでもなく、中国の力強い回復は世界経済が感染症のダメージから抜け出す上で、ポジティブな役割が期待されている。様々な面で、今年も創意工夫と改善が見られた「ダブル11」には、特別な意義があると言える。(CRI日本語部論説員)