北京
PM2.577
3/-2
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な流行が続く中で迎えた、上海での第3回中国国際輸入博覧会。困難な状況下における輸入博の開催は、それ自体が「産業・事業・発展の機会を止めない」という中国からのシグナルであるとも言えます。テルモ株式会社中国総代表の柴﨑崇紀上席執行役員がCMG日本語記者のインタビューに答えました。
――テルモが展示する新製品は何でしょうか?
まずはテルモの創業の商品でもある体温計、もちろん今は電子体温計です。それから、COVID-19の患者が肺の機能不全に陥った場合に、肺の機能の代わりができるECMO(エクモ)です。後は、感染患者の血液を血しょうとして採取し、今後の感染防止につなげられる成分採血装置です。
――武漢のコロナとの戦いで、テルモはどう貢献しましたか?
体温計、血圧計、血糖計、血糖試験紙、そしてECMOを寄付しました。武漢の各医療機関がECMOを必要としているとの情報を知り、日本からの緊急輸入という形で武漢へ届けました。(その結果)一定数の患者の治療効果が確実に上がったと聞いております。
――なぜ輸入博に毎回出展しているのでしょうか?
輸入博は中国人の生活を向上させ、企業にはチャンスを与える重要な場です。去年は糖尿病患者のインシュリン注射に用いる、痛くない細い針を出展して評価をいただき、販売にもつながりました。(今回の輸入博では)テルモがコロナ禍において何を供給できるのかを、より多くの人に知ってもらいたいと思います。また、来年に創業100年を迎える企業としてのこれまでの取り組みの姿勢と、医療を通じた社会貢献という企業理念が伝わることを期待しています。
――今後の出展についてお聞かせください。
4回目以降の出展も決まっています。
今年の輸入博の実施は、PCR検査、入場管理、登録など、事前準備が大変だったろうと思います。そこから中国の意気込みを強く感じます。どんな苦難な時でも、産業・事業・発展の機会は止めないのだということを、現地で実感しています。今後も輸入博に継続的に参加し、事業機会を増やしていきたいと思います。