北京
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「国連デー」の10月24日に、中日両国のアーティストが共演するコンサート<「和」と「美」――国連創設75周年記念友好コンサート>が名古屋で開催されました。主催は中国・南京市対外文化交流協会と日本語月刊誌「人民中国」雑誌社。コロナ対策上、会場には出演者や特別ゲストのみの最少人数の入場となりました。
ステージの様子
愛知県の大村秀章知事、名古屋市の広沢一郎副市長、中国駐名古屋総領事館の孫志勇副総領事が会場を訪れてあいさつしました。
挨拶する大村愛知県知事
挨拶する広沢名古屋副市長
大村知事は、「文化芸術は豊かで潤いのある生活に極めて重要だ」と指摘した上で、コンサートが国際交流の架け橋になるよう期待を示しました。広沢副市長は、新型コロナ後、名古屋市と友好都市関係にある南京市との間でマスクなど防疫物資を相互に寄贈してきた歩みを振り返り、「共に励まし合い、知恵を出し合うことが互いの友好関係をより一層深め、新型コロナによる難局を乗り越える力になると確信する」とあいさつしました。
挨拶する孫志勇副総領事
孫志勇副総領事が劉暁軍総領事の挨拶を代読し、「困難のときこそ真の友情が分かる。コンサートを通して、勇気と力を届けると同時に、相互理解と相互信頼を深め、友好が深まることを祈念し、両国ひいては全世界の人々がより安全、安心して暮らせる素晴らしい未来に向けてともに努力しよう」と呼びかけました。
挨拶する于文人民中国雑誌社東京支局長
人民中国雑誌社の于文東京支局長が主催者を代表して、南京市対外文化交流協会および人民中国雑誌社の幹部のあいさつを代読しました。その中で、南京市対外文化交流協会は、「音楽を両国民の心と心をつなぐ絆とし、中日両国の文化芸術交流と相互学習・共同創造を促進したいと願う」と開催に込めた思いを伝えました。また、人民中国雑誌社は、両国の音楽家たちの共演により、「自分の美を美とし、他者の美を美とし、自他の美をともに美とする」という哲学をもって心の奥底から共鳴を引き出し、両国民の深い理解と信頼を増進し、人類運命共同体の構築に力を添えたいと願う」と期待を示しました。
演奏中の中部フィルハーモニー交響楽団
コンサートの第一部では、名古屋を拠点に活動する中部フィルハーモニー交響楽団によるチャイコフスキー、メンデルスゾーンなどの名曲が演奏され、在日韓国人テノール歌手の安 賜勲 (アン・サフン) 氏による「ひろしま平和の歌」(山本秀作曲)が披露されました。
張濱氏、張日妮氏の親子デュエット
演奏中のチャン・ビン二胡演奏団
第二部では、日本で二胡の教育、普及に努めてきた南京生まれの演奏家張濱氏が、新型コロナ期間中の名古屋と南京、日本と中国で展開されてきた相互支援に思いを寄せた新曲「風月同天」を演奏したほか、ピアニスト・宮下はる美氏の伴奏の下、娘の張日妮氏がともにステージに立ちました。市民音楽団体「チャン・ビン二胡演奏団」も着物姿で演奏に加わり、華やかなステージが作り上げられました。演奏されたのは、南京地区を中心に伝わる江蘇省民謡「ジャスミンの花」、日本の童謡「紅葉(もみじ)」、「天空の城ラピュタ」など久石譲の名曲など、両国でよく知られる楽曲でした。張濱氏は「天空の城ラピュタ」の演奏に込めた思いを、「困難な中でも希望を胸に、勇気をもって前進する」と語りました。コンサートのフィナーレを飾ったのは、出演者全員による「小さな世界」の大合唱でした。
コロナ期間中、チャイナドレス姿で蜂蜜の
チャリティー販売で中国への寄付金を募集し、
「蜂蜜ガール」の愛称で多くの中国人を感動させた
杉沼えりかさん(左2)も特別ゲストとして参加
会場でコンサートを聞いた衆議院議員の近藤昭一氏は、「音楽が持つ暖かさと迫力を感じた。国連創設75周年にちなんで、平和のためにみんなで楽しく力を合わせていて、一体感のある良いコンサートだった」と感想を述べました。
なお、このコンサートの様子は近く、人民中国雑誌社により映像で配信されるということです。
「小さな世界」大合唱の様子
(記事:王小燕、写真:人民中国雑誌社提供)