北京
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中華“老字号”巡り 「冠生園」
冠生園の原点は、広東省出身の冼柄生(後に冼冠生に改名)が1915年に上海で創業した商店で、当初はフルーツの砂糖漬けやお菓子、飴などを開発して販売していました。1918年に社名を冠生園に命名して、経営がうまくいくとともに、本社を上海の一番の繁華街である南京街に置き、製品のラインナップも豊富になりました。同社は現在、伝統的な食品のほか、うまみ調味料、保健食品、酒類、冷凍食品、バイオ医薬品などの分野にも着手して多元化経営をしています。
日本軍の侵攻で1937年に上海が陥落した後は、生産工場を重慶や貴陽など内陸部に移転して生産を続けました。抗日戦争終息後に会社の本部を上海に戻しました。1949年には、全国に37の支社を持つ、当時の中国において最大の食品メーカーとなりました。その後、時代の移り変わりとともに、それぞれの地方にある支社が冠生園から独立します。一方で、本部の上海冠生園は上海市内の食品メーカーを次々に吸収合併して事業をますます拡大させました。
2006年には商務部指定の第一陣の中華老字号(老舗)リストに登録され、今年で創業105年を迎えました。
同社の最も有名な製品といえば白いミルクキャラメルの「大白兎(ダーバイトゥー)」やハチミツ製品などです。大白兎は1972年に、周恩来総理から中国を訪れたアメリカのニクソン大統領にプレゼントされたこともあります。――この老舗の詳しい物語については、是非、この時間の番組をお聞きください。(まとめ:任春生)