北京
PM2.577
23/19
新型コロナウイルスの影響が続く中で、中日の地方交流が力強い底力を見せています。14日午後、中国の浙江省寧海県と日本の富山県氷見市が友好交流都市提携の締結式をオンラインで行いました。
寧海県会場の様子
氷見市会場の様子
調印式の会場は双方の都市でそれぞれ設けられ、式は2カ所の映像が一枚のワイドスクリーンに投影される形で進行しました。寧海県の縢安達県長と氷見市の林正之市長はその場で署名した締結文書を画面越しに見せ合い、相手に渡す記念品を紹介し合いました。締結文書と記念品は郵便で送り合うことになっています。
オンラインでの握手
オンラインでの記念品交換
寧海県から氷見市に送る工芸品「泥金彩漆」
氷見市から寧海県に送る工芸品「木彫り氷見寒鰤」
寧海県は浙江省寧波市の海辺に位置する人口68万人の県で、中国に約2000カ所ある県の中では、総合能力ランキング48位となっています。一方の氷見市は富山湾に位置し、寒ブリの名産地で、中国でも多くのファンを有する漫画家・藤子不二雄Aの生まれ故郷です。
寧海県では、2011年に同県にダイカスト工場を投資・建設した氷見市出身の企業家・山森一男氏(現在86歳)の橋渡しで、2018 年からイベント「寧海橋頭胡桜祭り」ならびに中日文化交流行事が開催されるようになり、2019年から両都市は医療・福祉、介護、小学校など幅広い分野で交流をするようになりました。
こうした一連の交流の実績を踏まえた上で、昨年11月に寧海県からの訪問団が氷見市を訪れ、友好交流の意向書を交わし、正式な協定締結は今年3月に開催予定の第3回桜祭りの会場で行われる予定でした。新型コロナウイルスの感染拡大で調印は実現できなかったものの、両都市はコロナ禍の中で相互にマスクを寄付し、絆を深め続けました。
寧海県・縢安達県長
寧海県の縢安達県長は席上、「寧海と氷見は立地と資源が似ており、経済・貿易、文化・観光、高付加価値加工などの分野で幅広い交流の余地を持っている。友好関係の確立は、交流が実質的な段階に入ることを意味する」と評価しました。
氷見市の林正之市長は挨拶で、「今後は教育や観光に限らず、幅広い分野にわたる相互の交流を通して氷見市の人や自然・食に触れていただき、幅広い親善友好交流を図っていく」との期待を寄せました。
挨拶する林正之市長(右)、列席した山森一男氏(左)
双方の縁結び役を務めた山森一男氏も調印式に立ち会い、「コロナ禍において世界が持続可能な社会の構築を模索する中で、両国は官⺠⼀体となって“あるべき姿”への道を開いた」と、今回の締結式が実施されたことの意義を高く評価しました。
オンラインでの記念撮影
(取材:王小燕、趙芸莎 氷見市会場写真提供:氷見市)