北京
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皆さんご存じのように黄河は中華民族の母なる川で、輝かしい黄河文明を育み、黄河にまつわる数えきれないほどの詩作や音楽が生まれてきました。「歌従黄河来(歌は黄河から生まれる)」は山西省衛星テレビの人気オーディション番組で、全国各地から各民族の素晴らしい民謡歌手を集め、数十万人の観客から支持されています。今回は2018年の黄河の歌姫・新疆カザフ族のサニヤさんの物語をお話しましょう。
新疆からの「魂の歌手」
2018年の「歌従黄河来(歌は黄河から生まれる)」ファイナルステージは10月27日、山西省の太原で行われ、数か月にわたる激しい競争を経て、新疆カザフ族の女性若手歌手サニヤが優れた歌唱力でグランプリに輝きました。
2018年の夏、「歌従黄河来(歌は黄河から生まれる)」の舞台に初めて立ったサニヤはカザフ族の民族楽器・ドンブラを弾きながら、故郷の歌を歌いました。彼女の歌声は時に優しく切なくて、時に情熱溢れ、美しい民謡の裏に感動的な物語が感じられます。そんなサニヤは新疆から生まれた「霊魂歌手(魂の歌手)」と呼ばれています。
彼女にとって最初の舞台は友人で同じくカザフ族の歌手・イエルコベコに挑戦することが目的でした。イエルコベコは「歌は黄河から生まれる」2017年度の人気歌手で、ベスト6に入りました。自分の実力を証明するため、サニヤもベスト6に入る目標を持ってこの舞台にやってきました。しかし、この時、とんでもないことが起ってしまいます。
2018年度の「黄河歌姫」、誕生!
山西省衛星テレビのオーディション番組「歌は黄河から生まれる」の初舞台で、サニアは声帯の炎症を起こし、急遽緩やかなメロディの「草莓花香(イチゴの花の香り)」に変曲しなければなりませんでした。それでも観客たちは彼女の天山の泉のような美声から圧倒的な力を感じました
審査員の投票段階で、有名な作曲家・田青はサニヤの稀に見る純粋な声に驚嘆し、貴重な一票を彼女に投げ、サニヤは次のラウンドへ行く機会を得ました。その後の試合で声が回復したサニヤは田青と観客たちの期待にこたえ、水晶のような澄んだ美しい歌声でカザフ族民謡を歌い、会場を驚かせ、順調に決勝戦に進出しました。
対戦相手となる蒙古族の男性二人グループ・ナイジグループは体が大きく、歌唱力も迫力万点で、多くの観客を感動させました。しかし、決勝戦の最後に登場したサニヤは強い相手に対して、ドンブラを落ち着いて弾きます。サニアの指から流れる美しいメロディーと、カザフ族らしい素朴な歌声はすべての観客の心を虜にしました。
カザフ族の娘・サニヤは優れた実力で「歌は黄河から生まれる」2018年度のグランプリに輝きました。これからも彼女がより多くの素晴らしいカザフ族の民謡を全国及び世界に伝えていくことを願っています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 草莓花香(イチゴの花の香り)
歌詞:
友たちがいなければ、誰が私の歌をわかってくれるだろう?
隣に誰もいなければ、私の歌は誰に聞かせよう?
本当の友たちがいなければ、私の友情を誰に伝えよう?
友たちや隣にいる人へ情熱と友情を伝えよう
2曲目 雲雀よ、歌おう
歌詞:
私は気前のいい故郷の人々の懐で
だんだん大きくなって
大空に飛び立つ雄鷹になる
この故郷の土地で歌いたい
3曲目 萨马勒山(サマレ山)
歌詞:
サマレ山よ 大好きな故郷
鏡のような湖
今は私が兵士となるが、
君のために戦うのではない
君が何度も私の脳裏に浮かぶ