【CRI時評】米政治家の「ワクチン利己主義」が新型コロナ対策の国際協力を破壊する

2020-08-25 10:38  CRI

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長はこのほど、新型コロナウイルスのワクチンを囲い込み、他の国々が確保できないようにする米国のやり方に懸念を表明した。現在、ゼロサム思考にしがみつく一部の米国の政治家は、一方では、悪知恵を働かせてワクチンを政治に関連付け、「中国が米国のワクチンに関する技術やデータを盗んでいる」などと理由もなく攻撃し、中国のワクチン研究開発活動について「ワクチン外交」を展開しているなどと非難し、他方では、彼らは一刻を争うようにワクチンの研究開発と使用における主導権を握ろうとし、良い機会とばかりに一儲けを胸算用することさえしている。『サイエンス』誌によると、米政府はすでに多くの製薬会社と計60億ドル超のワクチン調達契約を締結しているという。

 確かに、感染状況の深刻さという点から見れば、ワクチンが至急入用だという米政府の気持ちは理解できる。しかし別の見方をすれば、世界の人口の大多数を占める発展途上国の方が明らかに、公衆衛生資源不足に直面している。英誌『エコロジスト』はこのほど、「米国などによるワクチン候補の争奪は、貧しい国々の弱い立場の人々が入手できるワクチンの在庫を大幅に減らし、全世界の防疫努力を脅かすことになる」と指摘している。

 中国の習近平国家主席は今年5月、テレビ会議形式で開かれたWHOの年次総会である第73回世界保健総会(WHA)の開会式であいさつし、「中国が開発を進めるワクチンが実用化されれば、国際公共財として、ワクチンの発展途上国におけるアクセシビリティとアフォーダビリティの実現のために貢献する」と強調した。

 ワクチンの公平で理にかなった分配の促進は、中国だけの力で達成できるものでは決してない。より多くの国、特に先進国が必要な責任を負わなければならない。各国は米国の政治家による「ワクチン利己主義」の「人質」に取られてはならない。テドロス氏は「世界の回復を速めるためには、全世界が一緒に回復しなければならない。世界の一部または少数の国だけが安全な場所となり回復できることはない」と述べている。(CRI論説員)

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