北京
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香港の独立を企む勢力のリーダーの一人として知られている周庭氏が香港国家安全維持法に違反した疑いで、10日夜に逮捕された。彼女は日本語ができ、日本を度々訪れていたため、逮捕のニュースは日本でも注目され、SNS上では関連の話題がトレンド入りした。だが、そのほとんどは懸念を示すものである。
しかし、公の場であるSNS上でこのような反応をする人々が、果たしてどこまで今までの経緯を把握しているのだろう。周氏は2019年6月21日に香港の独立を企む勢力の他のメンバーらと香港仔(アバディーン)で警察本部襲撃事件に参与したほか、無許可の集会への参加を扇動していた罪に問われ起訴された。これに関する裁判が今年8月5日に行われ、彼女が罪を認めた上で有罪判決は言い渡されている。今回の逮捕に関して香港当局は、外国勢力と結託して国家の安全に危害を加えた疑いがあるためだと公表している。
香港で起きた暴動に関しては、多くのメディアが報道を行ってきた。「デモ」についての多くの疑問点や海外勢力の関与を示す情報が映像や写真付きで報じられ、中国は特定の国に対して「横暴な干渉をやめるように」と再三強調してきた。また、多くの警察官が襲撃され負傷し、中には命を落とす警察官もいた。このような事件に深く関与した一人として、周氏の逮捕に「懸念」が示される余地はない。
しかし、そのような背景を深く知らずに軽い気持ちで流れに乗るだけの人がネット上に存在している。トレンドに便乗することは容易いが、それが本当に正しい事かを考えるべきだ。少し前に、日本のテレビ番組に出演していた女子プロレスラーがネットの誹謗中傷に苦しみ自ら命を絶ったというニュースがあった。心無い言葉や行動が人命までをも奪う悲劇は、SNSの負の一面を人々に突きつけた。偏見に満ちた情報が独り歩きし、真の被害者たちをさらに傷つけないためには、事件の真相を知ろうとする姿勢が大切ではないだろうか。
民主主義というものは、人民が主権者としての自覚を持ってこそ成り立つものだったはずだ。思考を停止した個から成る「民主主義」ほど危険なものは無いのだということを、「自由」や「民主」という単語を単なる道具として振りかざす人々に今、警告したい。(CRI日本語部論説員)