北京
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河南省許昌市の市民は「太極カンフー扇子」を持って演舞し、山東省淄博市のスポーツ愛好家らは「空竹(中国ゴマ)」や武術、ヨガを練習……中国各地の人々は、元気な姿で12回目の「全国民スポーツの日」を迎えている。
2008年北京五輪の遺産として、その開幕から丸一年となった2009年8月8日、同日が「全国民スポーツの日」に指定された。その日から、みんなでスポーツに参加するという理念が国民の間で深まってきた。メッセンジャー・アプリ「微信(ウィーチャット)」を利用して毎日、運動記録を残す人が増え、コミュニティ(住宅地)にはスポーツ施設が備えられるようになった。「全国民によるスポーツ参加」は単なるスローガンではなく、いまや、中国人の実際の行動になりつつある。
ただ、今年の「全国民スポーツの日」は例年と異なる点がある。新型コロナウイルスの感染拡大で、世界規模でスポーツやイベントの中止・延期が続く中、中国国民のスポーツ参加も少なからず影響を受けている。しかし、感染症の流行で在宅勤務を余儀なくされながらも、中国の人々は自宅の客間、寝室、ベランダで太極拳、卓球、ダンスなどを続けた。体を鍛えて免疫力を向上させ、毎日の生活を多彩にしながらも、ストレスを発散させ、感染症に打ち勝つための自信も強まった。
感染状況の改善にしたがって、中国のスポーツ産業は再開されつつある。感染症対策専門家のアドバイスの下、無観客・集中試合の形式で、6月下旬からはプロ・バスケットボール・リーグ(CBA)、7月下旬からはサッカーの中国スーパー・リーグ(CSL)がそれぞれ試合を再開した。同時に、プールやジム、ヨガなどの施設も検温や消毒、人数制限を徹底した上で相次いで営業を再開し、一般市民のスポーツ参加も再び多様な選択肢を持つようになった。
今年の「全国民スポーツの日」に合わせ、各地ではオンラインでのスポーツイベントも企画され、中国国民は時間と場所の制約を受けることなく自由に参加できるようになっている。
新型コロナによって、全世界の人々は健康の大切さを改めて認識するようになった。健康を保つには、運動することが最も経済的かつ効果的な方法かもしれない。そこには「全国民スポーツの日」設立の意味も含まれている。運動することが一人ひとりの日常生活の欠かせない一部になり、年に1度だけとは言わず、毎日が「全国民スポーツの日」になることを期待している。(CRI日本語部論説員)