北京
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広東省広州市の南西部に位置する西関永慶坊、その重要エリアとして工事が進められてきた「無形文化遺産通り」。7月半ばに、工事は終盤の装飾の段階に入りました。この作業が終われば、通りは一般公開されます。西関はかつて広州市で一番の繁華街として栄えていました。しかし、町の機能の多くが東のほうへ移って行ったことで、西関は廃れ始め、建物の老朽化も目立ってきました。
そんな中、生活環境の改善と町おこしの一環として、2016年からこのエリアに対する小規模な改修工事が行われました。その方針は、大きな取り壊しはせずに、古い建物を補強するというもの。この改修工事を担当する広州市荔湾区住宅建設局の江汪輝調査員はこのように話します。
「この通り、レンガは元のまま、鉄の柱を組み込むことで補強しています。古い建物の見た目はそのまま保たれます」
永慶坊はかつて広州の地方劇である「粤劇」の名優たちが集まった場所としても知られます。地元には粤劇を愛する人々も多いことから、この町には新たに「粤劇芸術博物館」が建てられました。毎日、観光客や粤劇ファンで賑わっています。
永慶坊の工事のうち、第1期工事の部分はすでに完了し、運営が始まっています。そこに含まれるのは、アートやカルチャー関連のお店60店舗のほか、洗練された民宿、お洒落なレストランなどなど。文化系企業も進出しています。無形文化遺産である西関の銅器づくりを継承する伍大明さんの声です。
「政府が環境、場所を整えてくれたおかげで、我々は安心して良いものを作ることに専念できています」
市民の満足感や幸福感、安心感を高めるため、広州市政府はここ永慶坊の改修のノウハウを全市に広め、市内にある779箇所の古い住宅街の環境整備に取り組んでいます。現在、改修工事の半分がすでに完了しており、全てのプロジェクトが完成すれば、49万世帯157万人が恩恵を受けるということです。
「コミュニティの塀がきれいに飾られ、道が広くなり、一変しました。みんな、お喋りをするためによく外に出てくるようになりました。私はここに20年住んでいますが、いま本当に幸せです。満足しています」
「小康社会に向かう中国人の暮らし」広東省広州市南西部に位置する古い町・西関永慶坊の、改修工事により生まれ変わった様子をお伝えしました。お相手は王秀閣でした。ではまた来週。さよなら。