【観察眼】「裸の王様」!反知性茶番が世界最強国で上演

2020-07-17 09:54  CRI

 ウイルスと戦う最強の兵器は、言うまでもなく、科学だ。コロナ禍を乗り越えるには、科学的な根拠に基づく的確な対策が欠かせない。しかし、コロナ対応の最前線で奔走する医療従事者や科学研究者に謝意を表する感動が世界で広がる中、世界最強国のリーダーたちは意外にも科学者を中傷したり反知性茶番に励んでいるのだ。

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 ホワイトハウスのソーシャルメディア担当ディレクターであるダン・スカヴィーノ(Dan Scavino)氏は7月12日にSNSで、米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長を皮肉る漫画をシェア。ナバロ米大統領補佐官は7月14日付けの米紙「USAトゥデー」への寄稿で、「ファウチ氏は大衆の扱いは上手だが、私が関与した限りでは全てが誤りだった」と批判。

 これに対し、ファウチ氏は7月15日に米誌「アトランティック」のインタビューで、「全くもって理解できない」と嘆き、「逆にホワイトハウスの評判を落とすだけだ」とし、「大きな間違いで、困惑している」 と反論した。

 米衛生当局のトップであるファウチ博士でさえこのような目にあった以上、米疾病対策センター(CDC)の待遇も楽観視できない。ホワイトハウスは全米の病院や医療機関に命令を下し、7月15日から毎日新型コロナ感染情報を直接ホワイトハウスのデータベースに送信するよう要求した。CDCの情報をロックし、ホワイトハウスがより情報の改ざんや小細工をしやすくなるだろうと、米科学界から懸念の声が上がっている。

 CDCのロバート・レッドフィールド所長は7月14日、不十分な封鎖と性急な再開は感染再拡大の要因だと訴えている。また、4人のCDC元所長は14日付けの「ワシントンポスト」で連名文章を発表し、これまでの任期内で、政治的圧力による科学的知見の変更を体験したことはないものの、まさか今日に至って、政治的圧力による科学へのダメージがこれほど大きいとは思いも寄らなかったと憂慮を綴った。

 どうして科学で証明された真実でさえ信じない人がいるのか?どうして人命に関わる重大公衆衛生事件で科学が政治争いの敵にまわされるのか?どうして世界最強の国はコロナ封じに失敗しているのか。どうして「某国第一」という幻の衣装にうつつをぬかす王様は14万もの命が奪われた国民の惨劇に一瞥もくれなかったのか。21世紀版「裸の王様」は実に残酷だ。(CRI日本語部論説員)

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