【観察眼】留学生の新制限措置で忙しいトランプ政権は感染症対応ゼロ

2020-07-13 13:48  CRI

 すべての授業をオンライン化した米国の大学に通う留学生にはビザを発給しないとした米政府の決定をめぐり、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、南カリフォルニア大学など複数の名門校はこのほど、規制の差し止めなどを求めて提訴した。結局、米政府は圧力に耐えられず、1週間も経たないうちにビザ発給措置を戻すことになった。

 米国での新型コロナの感染者数は過去最多を更新しているが、トランプ政権は大学に対し、新学年が始まる9月の全面的な再開を迫っている。留学生、教員、自国民の安全と健康を無視する一方、11月の大統領選の再選だけを気にかけている。さらにトランプ氏は授業再開に加えて、南部と西部を中心に感染者が急増し続けているにも関わらず、経済活動の再開に向けて強気な姿勢を示している。

 毎日の新規感染者が6万人に上るという依然として厳しい感染状況の米国では、ひとたび対面授業が再開すれば、集団感染の可能性が一層高くなる。授業の再開を要求したトランプ氏は再開前の準備措置、再開の具体的な要求、再開できる学校などについて、全く言及することはなかった。トランプ政権の決定について、米民主党のエリザベス・ウォーレン議員は、「無意味であり、残酷かつ排外主義だ」と示し、撤回を呼びかけた。

 帰国を余儀なくされた留学生が万が一新型コロナに感染したならば、帰国途中と帰国後、周囲の人にどれだけ高い危険性をもたらすのか。不適切な時期に無理やり授業を再開させ、集団感染が頻発してしまったならば、どんな対応策を講じるのか。トランプ氏には空想に夢中になって、なすりつけるようなやり方を止め、再び茶番劇を演じることがないようお勧めする。(CRI日本語部論説員)

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