北京
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23/19
担当:王小燕、斉鵬
ぬいぐるみなどで埋まるCBAの観客席(写真:新華社通信)
中国のプロ・バスケットボールリーグCBAが20日、再開されました。サッカー、バレーボールなどを含む中国トップレベルのスポーツリーグとして、初の試合再開となります。
感染症予防のため、全20チームが2つのグループに分けて、青島と東莞で集中して無観客試合を行っています。選手たちが現地で自由に活動できる場所は、宿泊のホテルと競技場の2か所だけ。選手の心のケアを考え、主催者はホテルにゲームセンターやジムを設け、また競技場では、スポンサーやファンから寄贈された多くの可愛いぬいぐるみを観客席に置いています。
すでに再開されている韓国のサッカーの試合では、観客席に段ボールの人形を置き、サポーターの代わりに試合を「応援」してもらっているようです。また、日本で来月初めに再開されるJリーグでも、一部のチームはぬいぐるみでスタンドの一部を埋める計画だということです。日本では、7月10日から有観客試合が可能になるとのことで、スポーツがお好きなみなさん、よければ感想を聞かせてください。
さて、今週の番組、前半は「旬な話題」で、中国が独自に開発した全地球測位システム「北斗3号」を構成する最後の衛星の打ち上げ成功、北京で発生している新型コロナ感染の最新の動きやそれに関する専門家の声をご紹介します。後半は「CRIインタビュー」、今週も引き続き、新型コロナウイルスの感染拡大が起きた後、武漢を始め中国各地に、そして世界各国に私財をはたいて購入したマスクを届ける楊熹さんの物語をお届します。今週は楊さん親子(写真)の日本とのかかわり、コロナ禍に気づかされたことなどをめぐり話をうかがいます。
<お便りの抜粋>
★高知県四万十市・杉村和男さん
今日6月18日の四万十市は、日本の言葉で言う「梅雨寒(つゆざむ)」で、肌寒く、長袖の服を着ております。現在、21時36分現在の気温は19.1℃(気象庁ホームページより)となっております。
さて、北京市新発地卸売市場での新型コロナウイルスのクラスター感染、日本でも報道されており、大変心配しております。一日も早い収束と、心よりのお見舞い申し上げます。日本も他人事ではなく、これまでも中国と同じような状況が二月ほど遅れて起こってきました。今回の新発地卸売市場でのクラスター感染と同じようなことが、この先、日本でも起こりかねないと、改めて気を引き締めたところです。
最近、地元紙に、新型コロナウイルスについて、コウモリ由来という記事がありました。専門家によれば、コウモリの移動距離は数百キロから、種類によっては大陸間をも横断する「渡り鳥」ならぬ「渡りコウモリ」まで、居るそうです。更に近年の気候変動、温暖化に伴って、動物の分布域が拡大しており、新型コロナに限らず、コウモリを始めとした動物由来の感染症が増えていると、感染症対策だけでなく自然保護を進めることが重要と結んでありました。
四万十市でも薄暗くなってくると、山の方からコウモリの群れが出てきて、上空をたくさんの個体が飛んでいます。ウイルス感染は基本的には人から人ですが、もしかしたら、コウモリが運んでいるのかもしれないとも思います。
「CRIインタビュー」での楊熹さんのお話、日本、イラン、イタリア、セルビア、ハンガリー、ドイツ、イギリスなど、マスク20万枚余りを寄贈したことについて、私財をはたいて、更には「良いことをした時、名前を残さない」はずなのに、名前が出たことに大変申し訳ないとは、頭の下がる思いであり、尊敬の念を抱かざるを得ません。
コソボ紛争で中国大使館が爆撃され、3人が犠牲になったという悲しい出来事があったことは全く知りませんでした。と言うのも私が学生の頃、地理で習った国名はまだ、ユーゴスラビアでした。その時に親切にしていただいた現地の警察に恩返しとして、あえて送付先を指定したというストーリーも感動的で良かったと思います。
では、こちらで今咲いている花の写真を添付します。日本の6月を代表する花、アジサイ(紫陽花)です。6月16日15時41分、四万十市の東隣、高知県黒潮町蜷川(くろしおちょう みながわ)での撮影です。私が中学生の頃、1974年に山本コータローとウイークエンドというグループが、「はぐれ雲」という曲を歌いました。歌詞の冒頭部に、「緑こぼれる山道に、紫陽花の花、咲いている。去年の夏の思い出に、貴方に押し花、贈りましたね」とあり、その歌詞通りの風景です。
6月16日 高知県黒潮町蜷川に咲くアジサイ 撮影:杉村和男
次は森沢川の風景です。特に観光地ではありませんが、見事な渓谷美になっています。非常に涼しい所で、近年の夏の暑さは35℃を超える危険なものになってきており、避暑地ならぬ、その猛暑からの非難場所のようになっています。6月14日19時10分(北京では18時10分)の撮影です。日が長くなりました。この時刻、既にCRIの日本語放送も始まっていますね。
6月14日 高知県森沢川の渓谷 撮影:杉村和男
コロナウイルス、まだまだ辛抱の日々が続きますね。お互いに励まし合って、焦らず、慌てずに、いきましょう!!
★東京都大田区・三輪徳尋さん
ウイズコロナの時代になって、歴史ある「广交会」がクラウドで開催されたことは、これからの新しい時代にあった交易会の新しい形を示すもので、新しい生活様式がもたらした素晴らしい成果であると思います。
交易も人と人との関係を大切にしなければ決して長続きすることはないと思います。その関係を築くには、やはり直接、顔を合わせて面談し商談することが良いのだろうと思いますが、今回のクラウド開催の交易会の様な新しい仕組みと技術を用いて、ネット上で顔をあわせての面談ができ、プレゼンテーションができるのであれば、忙しいビジネスをしているバイヤーにとって都合が良いものと思います。
第127届广交会のwebを拝見しましたが、出品数があまりに多くて到底、全部を見ることなどできませんでした。まるで通販のサイトを見ているようで、素敵なミル付きのコーヒーメーカーを見つけてついつい欲しくなって、クリックしたものの詳しい中身は登録をしないと見ることもできず、通販ではないことを改めて実感しました。本当に目移りしてしまうほどに素敵なキッチン家電などが、日本のバイヤーの目に止まり、日本でも広く取り扱われることを期待しています。
上海市民の楊熹さんの言葉に徳は隠すものだと話されていました。とかく「やらない善よりやる偽善」が多くなっているように感じる昨今、「人知れずに良い行いをした人には、天が報を与えてくれる。」という陰徳を積むことを大切にしている方の行いには、本当に敬服します。 昔から、「夫有陰德者、必有陽報、有陰行者、必有昭名。 (淮南子)」「施しをするときは、右の手のすることを左の手に知らせてはならない。(マタイによる福音書)」など、陰徳を積むことが人として大切な行いであり、隠積徳は子孫まで幸運をもたらすなどと書物にも記され、多くの賢人の教えとして今に伝えられています。しかしながら、善行を自慢したり、傲慢な態度をしたり、善行よって注目された人を嫉妬したり、誰かに認めてもらわないと良い行いをできない人が多いように思います。 「徳尋」名に「徳」を冠していながら、この年齢にもなって十分な陰徳も陽徳すらも積めずにいる自分が人のことなど言えませんが、人として陰徳が積めるのは、それだけの器を持った人でないとかなわないもだろうと思います。私もめげることなく残りの人生でも「徳」を「尋」ね続けてゆきたいと思っています。「尋ねるだけでは陰徳積は難しいのでは・・・?」という言葉がどこかから聞こえてくるようだ!
★名古屋・ゲンさん
北京も又大変なことになっていると、緊張して放送を聞きましたが、意外にも落ち着いた観測で、そのことの方に驚きました。
更に驚いたのは、広州交易会です。すべてオンラインで開催されているとのこと。開会式のことを「これはいける!」!と表現していましたが、「塞翁が馬」とか「災い転じて福となす」って感じなのでしょうか。いや、「窮すれば通ず」の方がぴったりかしら……と、浅き教養の私でも、絞りだせば、色々諺を思い起こします。
そのせいか、CRIインタビューも、浮かんだ諺が「情けは人のためならず」です。謙虚な楊さんの気持ちはまっすぐに伝わってきました。昔、日本の五千円札に載っていた新渡戸稲造(にとべいなぞう)が作った詩の一部分なんですって。「武士道」を貫いて生きるための366の格言集の中の「一日一言」に書かれていて、
施(ほどこ)せし情は人の為ならず おのがこころの慰めと知れ
我れ人にかけし恵(めぐみ)は忘れても ひとの恩をば長く忘るな
自分が他人にした良いことは忘れてもいい。でも、人から良くしてもらったことは絶対に忘れてはいけないよ、ということですね。
私としては珍しいことに、「武士道」を読んでとても感動したことがあります。
その時の感動が、楊さんという、潔(いさぎよ)い人柄に通じるものがあって、強さや優しさを併せ持った、なんて素敵な女性かと思いました。特にベオグラードで、侮辱した男たちのグループに、食って掛かった楊さんの純粋さに感動しました。
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