北京
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易烊千璽(イー・ヤンチェンシー/ジャックソン・イー)は2000年11月28日に湖南省懐化市で生まれ、中国の超人気グループTFBOYS(ティー・エフ・ボーイズ)の一人として知られています。
まず誰もが気になるのが、「烊千璽」という中国人らしかぬ名前の由来でしょう。 “烊”は地元・懐化では、「歓迎」という意味、“千璽”は生まれ年である2000年、つまりミレニアム=“千禧年”と同じ発音で、「ミレニアムを迎える」記念として名づけられたそうです。
易烊千璽は幼少時からダンスを習得し、5歳からテレビに登場するようになりました。2013年8月、TFエンターテイメントのアイドルグループ「TF家族」のメンバーとして活動していた王俊凱 (キャリー=ワン・ジュンカイ)、王源 (ロイ=ワン・ユエン)に加わり、3人組男子ユニット、TFBOYS(ティー・エフ・ボーイズ)を結成してメジャーデビューを果たしました。同年10月に重慶市でデビューライブ「Heart夢·出発」を開催するとともに、メジャーデビューシングル「Heart夢·出発」をリリース。
このグループはデビュー当初から大きな注目を集め、予想以上の大成功を収めました。当時は日本のダンス&ボーカルユニットを引き合いに出して「中国版W-inds.」と呼ばれることもありました。現在は、グループ活動よりも個々での活動が目立っています。そんな3人のうち、最も注目度が高いのが易烊千璽です。ソロシンガーとしてグループ時代とはまったく違うテイストの楽曲に次々に挑戦しているほか、俳優としても大きな存在感を放っています。
主演作品の数はさほど多くはありませんが、いずれも話題となっています。2019年に時代劇アクションドラマ『長安二十四時(原題:長安十二時辰)』で、人気俳優の雷佳音(レイ・ジャーイン)とのW主演を実現。このドラマは馬伯庸による歴史小説『長安十二時辰』を原作としており、2019年に動画配信大手のYoukuが制作・配信し、2019年6月27日から放送スタート。日本では2020年4月11日から、WOWOWにて放送スタート。
俳優として更なるステップアップを果たしたのは、彼の初主演映画となった昨年公開の『少年的你 (Better Days)』。同作は、第12回大阪アジアン映画祭にも出品された『七月と安生(原題:七月與安生)』(2016)の次作として期待されてきた曾国祥(デレク・ツァン)監督の力作で、運命が交錯する少年少女のかけがえのない日々をセンチメンタルに描いた青春ドラマです。易烊千璽は主演に抜てきされ、『七月と安生(原題:七月與安生)』により金馬賞最優秀主演女優賞を受賞した周冬雨(チョウ・ドンユィ)と豪華競演。「脱アイドル」とも言えるアクのあるヤンキー役に初挑戦したことでも大きな話題となりました。『少年的你 (Better Days)』により、易烊千璽は、第39回香港電影金像奨・最優秀新人賞を受賞したほか、最優秀主演男優へのノミネートも果たしました。
今年、新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るう中、易烊千璽の待望の主演映画第2弾『送你一朶小紅花(A Little Red Flower)』が遂にクランクインしました。今作は、『第一次(First Time)』(2012)や『滚蛋吧!腫瘤君 (Go away Mr. tumour)』(2015)、『動物世界(Animal World)』(2018)などの韓延(ハン・イェン)監督がメガホンを取り、がん患者を持つ2つの家庭の闘病生活を描く心温まるヒューマンドラマになっています。一般公開は2021年を予定しています。(ミン・イヒョウ 謙)