【CRI時評】米国のWHO「脱退」は自他共に傷つける行為だ

2020-05-31 23:38  CRI

 現在、全世界が感染症との一致した戦いに最も苦労している時、米国のトランプ大統領は先日、「世界保健機関(WHO)が米国の求める改革の実施を拒否している」との理由で、米国はWHOとの関係を終了するとともに、WHOに納めるべき会費を別の面に差し向けると宣言した。この横暴で自傷行為的なアプローチと一方的な行動は、国際社会から強烈な非難を浴びている。

 国際連合の専門機関として、WHOと米国連邦政府との間には隷属関係は存在しない。米国はいったい何の資格でWHOが米国の意向に従わなければならないと要求するのか。トランプ大統領のいわゆる「全世界の切迫した公衆衛生上の要求を満たすためにWHO向けの会費を別の面に差し向ける」という言い方は、おそらく、またぞろ人を騙すための単なる作り話だ。2月末時点で、米国は依然として2019年のWHO会費の70%以上を滞納している。米国の著名なニュースサイト「ポリティコ」の記事は2月中旬に、ホワイトハウスが発表した2021会計年度予算の中で、既に議会に対してWHOへの割当の半分以上を削減するよう要求していたことを暴露している。

 米国政府のWHO「脱退」の決定に対して、米国国内の世論は沸騰し、それでなくとも困難な米国の感染症との戦いの傷口に塩を塗るものだと非難する声が続々と上がっている。米国医師会のパトリス・ハリス会長は「既に10万人の米国人の命を奪っている全世界的な感染症の下で、WHOとの関係を遮断することは少しも論理的ではない。これはこの公衆衛生上の危機の解決をさらなる試練に直面させる」と指摘している。「ポリティコ」は、米国はWHOやその他の国々とのパートナーシップに依存して、新型コロナウイルスの治療方法やワクチン開発の可能性を含む重要なデータと情報を共有していると指摘している。記事は、国際協力がなければ、新型コロナウイルスや他の疾病に対する米国の公衆衛生上の対応措置が立ち遅れることになると警告している。

 全世界の協力の潮流は広大であり、米国の脱退によってWHOが機能を停止することはない。だが、米国政治家のクレイジーで、近視眼的かつ身勝手な決定によって米国民の生命はさらなる危険に晒されるだろう。この点、「人権」を連呼する米国政治家は見て見ぬ振りをするのだろうか。(CRI論説員)

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