北京
PM2.577
23/19
年に一度開催される全人代は中国で重要な政治日程だ。毎年3月5日に開いているが、今年はコロナの影響で2か月半遅れの5月22日の開幕となった。
このような非常時に開催された全人代だが、これからの中国の発展について非常策をいくつか打ち出すことになるだろう。
一、経済発展目標
李克強総理が行う政府活動報告では、その年の経済成長率目標に最も関心が集まるが、2020年は新型コロナ対策を優先し、数値目標の設定を見送った。
李総理は以下のように説明した。「新型コロナウイルス感染症と経済・貿易の情勢においては不確定性が非常に高く、わが国の発展がいくつかの予測困難な影響要因に直面していることから、我々は経済成長率について具体的な年間目標を提示していないということである」。そして、この一段落だけで「安定」という言葉を8回用いた。ここから、下半期の目標は依然として経済発展の安定を促し、保障することが一番大事であることが伺える。
二、コロナ蔓延の下半期の対策
新型コロナが長期的に存在し、時折局地での感染の可能性があるため、持久戦の心構えが必要になる。コロナの予防抑制と経済社会の発展をどのようにバランスをとるのか。
政府活動報告では「今年に入ってすでに5カ月近く経っているが、次の段階では常態化した感染症対策の取り組みに弛むことなく力を入れ、経済・社会発展の諸般の活動にしっかりと取り組まなければならない」と答えた。
三、貧困脱却の任務を実現できるか
2020年は貧困脱却任務の節目の年であるが、貧困脱却の任務達成は非常に厳しい。現在、まだ52の貧困県、2707の貧困村、551万人の貧困人口がいる。
政府活動報告で特別な一章として「貧困脱却堅塁攻略の目標達成を確保」を設けて、「消費による貧困救済行動を展開し、貧困救済関連産業の回復・発展を支援する。移住・転居による貧困救済の継続的なサポートを強化する。東部・西部地区間のペアリング支援方式による貧困救済と中央部門による地域指定型の貧困救済を深化させる。最低ラインの保障を強化する。貧困脱却堅塁攻略の全面調査を確実に行う。貧困脱却と農村振興との効果的連結を継続して推進し、貧困から抜け出した人々が豊かになっていくよう全力を尽くす」と一連の具体策を打ち出した。
四、中国は外部環境の変化にどう対処するか
現在、世界情勢は過去百年の間に無かった大変動の最中にあり、国際体制と国際秩序は深く調整されて、突如訪れた感染症も世界秩序に深い変化を生じさせている。新型コロナ感染の発生以来、特定の勢力は感染症を利用して中国のイメージを悪化させ、中国を非難し、新たな世論攻勢を仕掛けようと企て、中国の外部環境をさらに複雑化させている。
「これからの中国はどのような姿で世界と付き合うことになるのか」ということに世界は注目している。両会議は中国の対外的な立場を明らかにし、外交政策を紹介する重要なプラットフォームであり、世界が近距離で中国を観察し、中国を知る重要な窓ともなる。(CRI日本語部論説員)