【CRI時評】新型コロナウイルスワクチンは世界の財産

2020-05-17 08:30  CRI

 フランス製薬大手サノフィの経営幹部はこのほど、新型コロナウイルスのワクチンの研究開発に最も多くの資金を提供している米国がワクチンを優先的に入手・使用できると発言し、国際世論が騒然としている。

 今年3月にはすでに、米国政府が独バイオ技術企業に対し、ワクチン研究開発技術を米国のためにのみ使用するため、10億ドルを提供すると提案したことが、メディアによって暴露されている。さらにより疑わしいのは、トランプ米大統領が現地時間15日、米国は1月11日に新型コロナウイルスワクチンの研究開発に着手し、年末までに利用可能になるだろうと述べたことだ。この発言の「1月11日」という点に、国際社会の関心が集まっている。トランプ氏が全米に非常事態を宣言した3月半ばより2カ月も前のことだからだ。

 これとは対照的に、新型コロナウイルスワクチンの研究開発や製造、公平な分配を支援するための資金集めを目的とする国際イベントが先日、欧州連合(EU)の主導で開催され、74億ユーロが確保されたが、こともあろうに米国は参加を見送った。米当局者によると、米国政府は目下、独自の研究活動に数十億ドルを投じているという。

 新型コロナウイルス感染症との戦いに一日も早く勝利するため、世界保健機関(WHO)が4月下旬、全世界の協力パートナーとともに、ワクチンや診断ツール、治療ツールの研究開発、製造、公平な分配を加速させるための国際的な協力体制を立ち上げると、その呼び掛けに幅広い応答が寄せられている。中国とカナダがワクチンの研究開発で協力しているという先日のニュースは、感染症に打ち勝つ人々の確信を高めている。フランスのフィリップ首相は、「ワクチンができれば世界の財産だ。平等な接種に議論の余地はない」と指摘している。

 全世界が感染症との戦いで手を携え、人類運命共同体を共に構築することは、大勢の赴くところだ。広広として大きな流れを前に、米国の政治家らは寝たふりをすべきではない。(CRI論説員)

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