【CRI時評】米国のWHOへの資金拠出停止は自他を傷つける

2020-04-16 09:46  CRI

 トランプ米大統領は現地時間14日、「米国政府は世界保健機関(WHO)への資金拠出を当面停止する」と発表し、WHOが新型コロナウイルスへの基本的な任務の遂行を怠ったことがパンデミック(世界的な大流行)を招いたと攻撃した。米国のこの「責任のなすりつけ」と一国主義的行動は間違いなく、WHOの力をそぎ、感染症との戦いにおける国際協力に影響を与え、最終的には米国民を含む世界各国の人々の利益を損なうことになるだろう。

 中国は1月3日にWHOへの感染症情報の定期的な報告を開始した。WHOは2日後、原因不明の肺炎が発生したとする警報を世界に向けて出した。WHOは2月初め、ジュネーブに400人以上の世界トップクラスの研究者を招集して会合を開き、ワクチン研究の方向性をまとめた。4月中旬の時点で、WHOは133カ国に200万個以上の個人防護具を送り、126カ国に100万セット以上の診断検査ツールを提供している。

 現在、新型コロナウイルスの感染者数は、世界全体で200万人に迫っている。この重要な時に、米国がWHOへの資金拠出の当面停止を決定したことは、自らの国際的な約束への裏切りであるだけでなく、感染症との戦いにおける国際協力を著しく乱すものでもある。

 米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏は15日、SNSへの投稿で、米国のWHOへの資金拠出停止は「危険だ」と指摘し、「WHOの仕事は新型コロナウイルスの拡散を遅らせており、他の組織に置き換えることはできない。世界は今まで以上にWHOを必要としている」とつづった。米国最大の医師協会である米国医師会(AMA)も、トランプ大統領の決定は「間違った方向への危険な一歩」との見方を示している。

 米国の言う「WHOが新型コロナウイルスへの基本的な任務の遂行を怠った」とは、米国政府が「借金を踏み倒す」良い機会として見つけた口実にすぎない。これは2年以上前に「国際機関からの離脱」という形で国連教育科学文化機関(ユネスコ)に5億ドルを滞納したやり方と全く同じものであり、あるいは再び国際機関から離脱する伏線なのかもしれない。

 人類は運命共同体であり、団結と協力こそが、感染症との戦いに勝利する最も有力な武器だ。(CRI論説員)

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