北京
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23/19
本来、中国人にとって一年で最も賑やかな時期であるはずの春節期間ですが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、全国の人々は政府の呼びかけに応じて、自らを隔離する形で自宅待機していました。
外出できずにさぞ窮屈な思いをしているかと思いきや、在宅ならではの楽しみを満喫する人も少なくないようです。SNSの投稿を通して、その様子を見てみましょう。
ヒマワリの種でアートを満喫!
湖北省襄陽市に住む張さんは、807個のひまわりの種を使って一週間で10店以上の作品を制作し、4万件の「いいね!」を獲得しました。
同じくヒマワリの種を使って山東省青島市のハンドルネーム「冷阿狗」さんが作ったのは、なんと立体のミッキーマウス。この作品は海外のメディアでも報道されました。
いつもの部屋でスポーツを満喫!
卓球に興じる夫婦。いつものリビングが卓球場に様変わりしています。卓球台にしてはちょっと低いテーブルに2人とも前屈み気味ですが、楽しそうな笑顔を見せています。
一方のこちらは、なんとリビングでバドミントンをする様子。しかも、かなりのラリーの応酬です。それもそのはず、遼寧省の大連開発区に暮らすこの若い夫婦は共に体育教師なのだそう。この映像は4日間で6000万回以上も再生され、二人はすっかりバドミントン界の有名人になりました。
ペット相手に数学の授業を満喫!
こちらは、清華大学の博士課程に在籍する李さん。コンピュータを専攻する彼が自宅待機中、自らの課題としたのは、「ネコに学問を説く」こと。飼い猫に関数を教える様子は微笑ましいですが、当のネコちゃんはあまり興味なさそうです。
現場監督は7000万人!?見守り応援する人々
この期間中、最も多くの人々が参加した「活動」を挙げるならば、それは湖北省武漢市に10日間で建設された新型肺炎専門病院の「火神山医院」とそれに次ぐ「雷神山医院」の建設現場の「監督」となったことでしょう。複数のライブカメラで撮影される2つの病院の建設現場の様子がネット上でリアルタイムに公開され、解説音声などが一切無いにも関わらず、7000万人以上がこの中継を見守りました。
自ら進んで己を隔離し、自宅待機を続けた中国人たち。それは、さらなる感染拡大を防ぐという大局のための行動です。
そして、焦ることなく自宅待機の日々が送れるのは、最前線で新型肺炎に立ち向かう医療関係者や、「社区(コミュニティ)」の末端組織で働く公務員、そして警察官、清掃員、配達員などがいるお陰です。
非常事態に直面しても、ユーモラスに、前向きに乗り切ろうとする強い心は、国家や社会への強い信頼の上に成り立っています。(ヒガシ、謙)