北京
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チャンヤンチュオマーは温かく、深く豊かな歌声で、最も美しいメゾソプラノと呼ばれています。しかし、デビューする前は、家が貧しく、生計にあくせくし、生活の苦しさを嘗めつくしていました。こうしたひもじい生活は彼女の歌声に独特な魅力を与えています。今回の中国メロディーは、引き続きチャンチュオマーの歌をお伝えします。
本格的な音楽人生がスタート
チャンヤンチュオマーは1985年、四川省のチベット族牧畜民の家族に生まれ、6人きょうだいの中の唯一の女の子でした。家が貧しく、中学校を三年生の途中で退学しました。家計を支えるため、掃除婦や工事現場のセメント運び、レストランのウェートレスなどをしました。しかし、貧しい生活の中でも生まれつきの音楽の才能は鮮明に表れていました。
レストランで働いていた頃、彼女の歌声はお客さんを魅了しただけでなく、県の役人からも好評を博し、地元の音楽団を薦められました。チャンヤンチュオマーはその音楽団に入り、本格的な音楽人生を歩み始めました。
音楽の女神の生まれ変わりか
2005年、チャンヤンチュオマーは四川音楽大学に入学し、音楽の理論を学ぶとともに、チベット音楽の特色を保つため、工夫を凝らし、「这山、这水(この山、この川)」、「金色的輝煌(金色の輝き)」など民族の特色あふれるアルバムをリリースします。そのうち「这山、这水(この山、この川)」はCD73万枚の売り上げを記録しました。彼女の歌声は心を癒す魅力を持ち、まるでチベット族の伝説の音楽の女神が生まれ変わったものとも言われています。
チャンヤンチュオマーは苦しい生活を経ても、その生活が与えてくれた貴重な経験に感謝し、これらをすべて心の底からの歌に変えています。だからこそ、歌声には独特の心を癒す力があるのでしょう。
公益事業にも熱心、母校の恩に報いる
今や名歌手になったチャンヤンチュオマーは、音楽の舞台で活躍するだけでなく、母校の教育事業に尽力し、毎年、学校に数万元の資金や学用品を寄付しています。彼女は「学生時代はまともな服も靴もなかったけれど、いつも明るい笑顔と楽しい歌声で通っていた。学校で勉強できれば、歌を歌えれば、十分幸せだった。知識があれば、人生の美しい夢をかなえることができる。母校で初めて人生の目標を見つけた」と話しました。学校はチャンヤンチュオマーの夢が始まるところで、あくまでやり抜く努力によって、彼女はようやく輝かしい人生を迎えました。
番組の中でお送りした曲
1曲目 心中的雪蓮(心の中のセツレンカ)
歌詞:
山の中のセツレンカよ
なんてかわいいのあなたの笑顔
私をとりこにする
あなたは私の心に咲き誇るセツレンカ
あなたがいれば、雪が舞っても嬉しい
どこへいっても あなたは私の心に
あなたの笑顔を思うと ウキウキする
2曲目 那一天(あの日)
歌詞:
あの日 目を閉じて仏堂の線香に経をあげ
突然、君のお経の真言を聞き取った
あの月 すべての経筒を振り
済度のためでなく ただ君の指先に触れるため
あの年 山道にはいつくばる
君主に謁見するためでなく ただ君の温かさに寄り添うため
あの一生 僕は山を回り川を回り仏堂を回り
ただ君に出会うため
3曲目 天辺(空の果て)
歌詞:
天の果てに一対の星
それは夢の中の星
山の中に朝霧
それは君の夕べの優しさ
僕は山の頂上に登り
霧の中に君の姿をさがす
僕は駿馬に乗り
遠くにある星を探しに行く