北京
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一等賞と二等賞の受賞者代表
日本僑報社の主催による「第2回忘れられない中国滞在エピソード」作文コンクールの表彰式が15日、東京都内の中国大使館で行われました。293点の応募作品から新中国成立70周年に合わせて、最優秀賞1名、一等賞5名、二等賞20名、三等賞44名の計70名が入賞し、作品集『中国で叶えた幸せ』として出版されました。
作文コンクールに応募した人たちの職業は国会議員や会社の管理職、公務員、大学教師、学生など様々で、年齢層も広い範囲に及んでいます。また、入選作の内容はバラエティーに富み、東日本大震災の募金活動で中日双方が互いに見守って助け合う精神を描いた作品や、87歳の父親が上海の生活で体感した中国の温かさ、スイカやヒマワリの種を食べる面白さ、マラソンを走った経験についての作品などが選ばれ、外国人だからこそ気づいた中国の良さが感じられるものばかりです。
一等賞を受賞した入江正さんは、定年退職後に上海日本人学校への赴任のため、87歳となった父親とともに住み慣れた日本の生活を捨てて3年間上海で暮らしていました。意外なことに中国語がまったく話せないにも関わらず、父親はすっかりと上海での生活に慣れ、家族の中で一番中国の街を歩きまわり、多くの中国人と触れ合いました。毎日の散歩がてらに野菜や果物を買う時、なんと財布を見せて自由に金を抜いて、お釣りを返してもらうやり方を取っていたということです。そんな父親は一度も損をしたことがなく、それどころかおまけをいっぱいもらってきたそうです。「あなたを信じている」ということを示していた父親は、中国人から信頼という素晴らしいものを得たと入江さんは見ています。
同じく一等賞に入賞した高校生の山崎未朝さんは中国に来る前、日本のマスコミの影響で中国に対して良い印象を持っていませんでした。そして、中国に来てひょんなことから中国や中国の人たちを見る目が変わりました。彼女は作文の中でこのように綴っています。「日本では教えられない、感じられない中国の良さを、先入観を抜いて眺めてみて初めて気づいた。いかに、私が中国に対して偏った見方をしていたのか、すごく反省した。私はその後、三年間中国で過ごしたが、中国人の積極的で優しくて寛容的な人柄に、すごく惹かれていた。中国は良い国で、良い人柄の人たちだと」
多くの入選者は中国滞在の経験を生かして、明るい中日関係の未来を築くために、中国と日本の架け橋として貢献したい気持ちを作中で表しています。
孔鉉佑駐日大使は表彰式で挨拶し、「中国には『少しのことから全てを見通す』という言葉がある。まさに中国での自らの体験を通して多くの方々は普段の印象と全く異なる中国を目の当たりにし、活気に満ちた中国を目撃し、中国の国民が善良で親切なことを感じ取った。このような有益な経験が皆さんにとって将来の貴重な財産になることを堅く信じている」と語りました。
日本僑報社出版社の段躍中社長によると、「忘れられない中国滞在エピソード」作文コンクールは来年も開催されるということです。(取材・写真:ZHL)