北京
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第15回北京―東京フォーラムが27日、北京で閉幕しました。閉幕後の共同記者会見では、双方が得た「北京コンセンサス」が発表されました。
「北京コンセンサス」を発表する高岸明外文局副局長
北京コンセンサスは「中日関係が正常な軌道に戻り、さらなる協力を深める方向に向かっている中で、本フォーラムは民間外交の重要な舞台として『新時代にふさわしい両国関係の構築』のための民意の基礎を固めることができる」と示しています。
また、自由貿易の面では「両国は保護貿易主義に反対する立場を共有し、より開放的で、ルールに基づいた自由貿易体制を貫くためにも、それぞれの国で構造改革を進める」とした上で、多国間主義に基づく国際協力の推進と世界貿易機関(WTO)の改革実現について意見の一致をみたとしています。
地域経済と第三国市場協力については、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の早期妥結、日中韓自由貿易協定(FTA)の交渉プロセスの加速化で一致し、第三国市場協力の推進および質の高いインフラ建設を協力して実現させることで共通認識に達しました。
さらに、人的交流と文化交流については「青少年やメディアといった分野での幅広い人的交流を推し進め、そのための環境整備を急ぐべきである」と提言しています。
フォーラムに出席した中国人民政治協商会議第12期全国委員会外事委員会委員でもある程永華元駐日本大使は取材に対し、「双方は両国関係発展の環境改善に向けて努力し、来年予定されている習近平主席の訪日のために基礎を固めているところだ。来年の習主席の訪日が、両国関係を新たな時代へ導くことに期待する」と話しました。
また、国立京都国際会館理事長で元国連事務次長の明石康氏は「北京コンセンサス」について、「両国の相互信頼の増進に向けて物事を運ばせる決意である。はっきりとした目標が大事だ」と評価しました。
分科会の総括を行う代表ら
今年15年目を迎えた北京―東京フォーラムは、「世界の繁栄とアジアの平和で中日が背負うべき責任」をテーマに、政治、外交、経済・貿易、安全保障、メディア、科学技術の革新などの面において専門家および代表らが踏み込んだ討論を行いました。
共同記者会見に臨む両国の代表ら
同フォーラムは北京と東京それぞれの持ち回りで毎年開催されており、次回2020年は東京での開催が予定されています。(取材・写真:RYU)