北京
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北京の新たな玄関口となる大興国際空港の開業式典が25日に行われ、習近平中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席が開業宣言をした。
その模様を世界中のメディアが一斉に報道し、この空港は瞬く間に世界の注目の的となった。BBCは「北京大興国際空港が開業。中国の産業能力の勃興を示す」と題した記事を掲載し、「過去10年における中国の工業レベルとプロジェクト実施能力の高さを示している」と伝えた。他にも、英『ガーディアン』紙が「現代の世界7大奇跡」の首位に選出するなど、国際的に高い評価を得ている。
着工から竣工に至るまで、「北京の新空港」として各メディアや世論を賑わせてきた北京大興国際空港、まず注目されるのは、その類を見ない世界最大の規模であろう。敷地面積は70万平方メートルと、サッカー場約100面分にあたる。特徴的なデザインのターミナルビルの面積は143万平方メートルで、4本の滑走路と268の駐機場が整備されている。さらに、到着ロビーと出発ロビーがいずれも2つのフロアに分かれた構造も、世界初の試みである。2022年には年間の乗降客数は4500万人に達し、将来的には延べ1億人になると想定され、利用者の数でも世界最大の単一ターミナルとなる見通しだ。
また、国際的なハブ空港となることを標榜しているだけあり、アクセス面にも多くの工夫がある。高速鉄道(日本で言えば新幹線)が直接接続された空港は、世界中を探してもここだけだ。同空港に乗り入れる高速鉄道は26日に開通し、ターミナル駅である北京西駅から空港までを28分で結ぶ。また、同じく北京市街南部・草橋駅からの地下鉄連絡線を利用した場合の所要時間はわずか19分である。
経済効果においては、航空業界と物流業界から大きな期待が寄せられている。海外50社以上の航空会社が利用する予定で、今後さらに増加していく計画だ。また、物流面においては北京、天津および河北省に近く、年間貨物取扱量は400万トンに上るため、国内消費の拡大促進や地域経済の促進の面でも一役買う事になるのは間違いないだろう。
もちろん、新空港では日本便も就航する予定だ。世界から注目を浴びるこの空港が、「新時代にふさわしい中日関係」の構築においても、経済協力と人的交流の面で大きな役割を果たしていくことに期待がかかる。(CRI日本語部論説員)