北京
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福岡在住のピアニスト・水上裕子さんが11日、北京外国語大学でリサイタルコンサートを開きました。100人余りが訪れた会場は、美しいピアノの旋律と温かい拍手に包まれました。このコンサート「水上裕子ピアノ演奏会IN北京」は、「2019中日青少年交流促進年」を記念するシリーズ行事の一つで、主催は北京日本学研究センターと北京驛前国際教育です。これに先立ち、水上さんは9日に甘粛省敦煌市でも、400人を前に演奏会を開きました。
水上裕子ピアノ演奏会IN北京の様子
水上さんの北京外大でのリサイタルは去年9月に続いて2回目です。1時間余りのステージでは、オリジナル曲の「愛」や「LongRoad~落葉帰根」などを含む10曲以上が演奏されました。
水上裕子ピアノ演奏会IN北京の様子
水上さんはまた、中日の友好交流への思いについて、「中国は若い時から憧れていた国だった。高校時代に、ピアニストになれるのかと自分を疑っていた時に、テレビで中国に残された日本人残留孤児のことを知り、日本語は忘れても日本の調べは忘れていないという彼らの存在を初めて知った。いつか中国に行って、祖国に帰れない人たちのために、自分の演奏を聴いてほしいと思った」と、ピアノの道へ進もうと決意した背景を語りました。
なお、「愛」と「LongRoad~落葉帰根」は、水上さんが今回のために作曲した、シルクロードの風景をイメージしたというオリジナル曲です。敦煌市の西北師範大学敦煌学院で9日に開かれたリサイタルで水上さんは、「今回、初めて敦煌に来ているが、ラクダに乗り、砂漠の壮大な形式を眺めて、敦煌への思いを深めることができた。この2曲が、自分が目にした景観とぴったり合うものだと改めて思った」と話しました。その上で、「今後はシルクロードに関する一連のピアノ曲を作曲して、チャンスがあればまた敦煌をはじめとする中国各地で演奏をしたい」と意気込みました。
水上裕子ピアノ演奏会IN敦煌の様子
水上さんは福岡県出身、武蔵野音楽大学を卒業後にオーストラリア、欧州でデビュー。1996年に日本に帰国しました。その後、20年間で実施したコンサートは2500回を超え、欧米やアジア各国にも活動の舞台は拡がっています。そのオリジナル曲はNHKや民放各局のテーマ曲およびBGMとしても使用され、CDはクラシックとしては異例の25,000枚を売り上げました。また、自叙伝『Hiroko私にはピアノがあったから』も出版され、日本では子どもから大人まで幅広いファンを持っています。
(文:王小燕、写真提供:郭連友)