北京
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2019年7月19日夜6時30分、福建省アモイで、ある平凡な男性音楽教師の命が28歳で終止符を打ちました。その後、彼を悼み、しのぶコメントがネット上に殺到し、勤め先だったアモイ第六中学校の合唱団に関するものも含めて、クリック件数が3億件を超えました。数えきれない人たちが、生徒たちの純粋な歌声を聞きながら涙を流しました。彼の名は高至凡さん、わずか5年間の教師生活で、音楽への理解力と情熱を持って、生徒たちを率いて、楽器を使わないユニークな合唱を色々と試し、ついに中国の国営放送・CCTVのステージに立って、生徒たちの青春にきらめきを与えました。
今回の中国メロディーは、そのアモイ第六中学校合唱団の歌声に乗せて、高先生の短かった音楽人生を追憶しましょう。
夜空に一番輝く星
7月21日午後、高至凡先生のお別れの会が開かれ、多くの人々が花を持ち、若くして亡くなった教師と最後の別れをしに集まりました。アモイ第六中学校合唱団の生徒たちは、高先生が自らアレンジした曲「夜空中最亮的星(夜空に一番輝く星)」を歌いました。そして多くの生徒たちが、最愛の先生との永遠の別れを受け入れられず、生徒たちの真心の言葉を聞いて、周りの人たちもみな熱い涙をこぼしました。
高先生はあまり知られていませんが、彼が指揮した合唱団が歌う動画はネット上で大ヒットしています。楽器を一切使わず、手を叩き、足をならしてリズムを作りながらハーモニーを歌い上げます。その純真で無邪気な歌声は、優雅で整然とした動作と相まって、溢れる青春の活力を感じさせます。
この合唱団が歌った新しい曲はいずれもアクセスが急上昇し、何回かCCTVのステージにも上がりました。この活躍の最大の功労者は、顧問兼指揮者であった高先生でした。彼は愛情や遊びを通じて生徒たちに音楽の魅力を伝えました。亡くなってしまいましたが、その愛情はいつまでも生徒たちが成長する道を照らし続けるのでしょう。
愛情と喜びの中で音楽の魅力を感じる
生徒たちは高至凡先生のことを、高先生と呼ばずに「高さん」と呼びました。初めての授業で髪をストレートにし、芸術家らしさを見せていました。こんな若い教師に生徒たちは、「年が10歳も違わないけど大丈夫かな」などと感じます。しかし、授業が終わる時、先生は終業のベルに合わせて、ドラムでアドリブを披露します。これに生徒たちは「すごい、格好いい」とウキウキしました。こんなおしゃれな授業に生徒たちも興奮してしまいました。
生徒たちは、「先生は不思議な魅力がある。先生がいれば絶対主役になれる。何の歌が好きか、先生はよく知っているよ。音楽への興味をたちまち盛り上げてくれるんだ」と振り返りました。そんな先生の授業は、生徒たちにとってとても愉快でした。ステージで緊張させないようにするため、恐竜に扮して教室を駆けずり回り、生徒たちをけらけら笑わせました。合唱団の練習も授業の時も、いつも明るくて楽しいムードを作って、生徒たちに愛情の中で音楽の魅力と生命の力を感じさせました。
生徒たちのいつも変わらない精神的な力
アモイ第六中学校合唱団は結成して20数年も経っていますが、高先生は5年前に顧問を担当し始めた時、合唱はもう時代遅れと考えました。しかし、偶然、ユニークな演奏スタイルに引きつけられます。舞台を学校の図書館や教室に移して、教科書やコップ、そして机を楽器に見立てて、活力あふれる作品を作り、多くの人々を感動させました。
高先生の家族は遺品を整理していた時、学校にいた5年間でレコードを数箱しか残さなかったことに気付きます。給料のほとんどを、北京や上海での研修参加につぎ込んでいたのです。音楽の道にいつまでも満足せずに、勉強を続けていました。音楽教師という平凡な仕事の中で非凡な人生を描き、その貴重な心の財産はいつまでも生徒たちの心の中に残り、生徒たちが夢を追う中で生涯にわたる精神的な力となるのでしょう。
番組の中でお送りした曲
1曲目 夜空中最亮的星(夜空に輝く星)
この歌は高先生がアレンジしてタクトを取り、アモイ第六中学校合唱団が歌ったものです。
歌詞:
存在意義が見つからない中
暗い夜に迷う時に
夜空に一番輝く星
行く道を照らしてくれ
2曲目 簡単的事(簡単なこと)
この曲は、高先生が亡くなる直前の7月初めに、合唱団のためにアレンジした曲で、彼の最期の作品となりました。
歌詞:
悩みはとめどない
暮らしが良くなるよう祈る
みな同じ暮らしぶりを繰り返し
もうあきたよ
心の舞台で素晴らしい芝居を繰り広げ
次の瞬間に私も出るかも
平凡な中にも素晴らしい時が
3曲目 彩雲追月(美しい雲と月)
澄み切った夜空に美しく輝く月と雲が、戯れるように追いかけあう情景を描きました。
歌詞:
三日月の夜が更けていく
月の光が風とともに
湖に彼女の逆さまな姿が
その優しい姿
想い焦がれる気持ちへ
月夜はまるであの人との夢