北京
PM2.577
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こんにちは、日本人スタッフの森です。今回は交通の話題です。すでにニュースや「AちゃんのCHINA NOW」でもお伝えしましたが、北京市の市街地北部に5月末、自転車の専用道路が開通しました。6月中旬のある日、ここを体験走行してきました。
ご覧のように路面をはじめ、周囲の風景もすべて緑を基調としており、電光掲示には緑の字でエコ外出を呼びかける言葉が示されています。中国語の「緑色」は、エコや環境配慮、健康といった意味も含まれています。
高架区間が中心のこのコース、その取り付け道路にこんな装置があります。
ここは上り坂になっていますが、右端に細いベルトコンベアー状のものがあり、ここに自転車を載せれば自動的にコースまで運んでくれます。ただし移動速度はかなり遅いです。ちなみにこの青い自転車はシェアサイクルです。
行き先表示も高速道路仕様の緑色で、なんだか「ミニハイウェイ」のようです。中国では車両は右側通行であり、このコースの中央部分は中国語で「潮汐車道」というリバーシブルレーンです。なお中国では路面表示は一般に上下あべこべです。
この自転車道は、手前側の線路を走る通勤電車の混雑を緩和するために作られたものです。また奥に見える列車は、つぶやき384号で紹介したディーゼル列車です。
コースから一般道を見下ろしてみると、かなり整備されていることがわかります。あちこちに自転車マークがあり、自転車が交通手段として根付いていることがわかります。
この道路は普通自転車専用であり、自動車はもちろん電動自転車や歩行者は一切進入できません。コースの一部には並行して歩道が設けられていますが、手すりで完全に仕切られています。
コース内に1ヵ所、トイレつきの休憩所があります。この道路の紹介文を見ますと、全長6.5キロ、うち高架区間が2.7キロで、出入り口が8ヵ所、などと書かれています。また路上ではあちこちで緑化整備が行われており、暑い中作業員が水撒きや植林に励んでいました。
その作業員が、手を休めて写真を撮ってくれました。元大学自転車部員である私は格好よく疾走したかったのですが、ここは最高時速が20キロに制限されています。
ゆっくり30分ほど走って、ようやく終点に着きました。コースの距離は公式では6.5キロとなっていますが専用区間は5.4キロで、ここから先(写真の手前側)は一般道区間となります。
ところで写真でお分かりのように、現在、利用者は大変少ない状態です。かつて自転車通勤が風物詩だった中国も今は大部分が電動自転車やモーターバイクになり、普通自転車のみ走行可であるこの道が活用されるか微妙なところです。バイクの無謀走行が社会問題になっているだけに、改めて自転車のよさを見直す機運が高まってほしいところです。(森 雅継)