北京
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テイラー・スウィフト、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン……、世を騒がせる芸能界のビッグネームたち。そんな海外セレブの「ちょい長」な名前に戸惑うこと、ありますよね?それが中国語になると尚更、「泰勒・斯威夫特」「本尼迪克特・康伯巴奇」「湯姆・希徳勒斯頓」……、一目見ただけで「面倒くさい!」と思う人も多いハズ。そのため中国では、彼らを呼びやすくする目的でファンたちが愛称を付け、それが定着するという、ユニークな現象が起きています。
このシリーズでは、海外セレブたちの中国での愛称を解説付きで紹介!理由を聞けば納得間違いなしの様々な「ニックネーム」は、話のネタだけでなく、中国の「今」を理解する鍵にもなることでしょう!
第25回は、世界中で記録的ヒットとなった『アベンジャーズ』特集です。ちなみに、これまでに紹介した「寡姐」=スカーレット・ヨハンソン(ブラック・ウィドウ役)も、「美队」=クリス・エヴァンス(キャプテン・アメリカ役)も、この映画シリーズで演じた役名がそのまま中国での愛称として定着したパターンでした。
惊队(jīng duì)
本名:ブリー・ラーソン/布丽·拉尔森(米女優)
「惊队」とは「惊奇队长(驚奇隊長)」の略で、「キャプテン・マーベル」ことキャロル・ダンバースの役柄のこと。女性版「キャプテン・アメリカ」とも言えるこの役を演じるのは、ブリー・ラーソン。2015年の作品「ルーム」でアカデミー主演女優賞を初ノミネートされ受賞した実力派で、今年は、キャプテン・マーベル役として登場したマーベル映画初の女性単独主演作『キャプテン・マーベル』と、「アベンジャーズ」シリーズ第4作かつ完結編となった『エンドゲーム』が相次いで公開され、最も注目を集めている女優の一人です。2015年にオスカー女優となった後も中国では本名で呼ばれ続けた彼女ですが、「アベンジャーズ」シリーズに出演するやいなや、役名由来のニックネームが定着。中国での「アベンジャーズ」人気がよく分かる例とも言えますね。
鹰眼(yīng yǎn)
本名:ジェレミー・レナー/杰瑞米·雷纳(米俳優)
「鹰眼」とは、書いて字のごとくホークアイ役のことで、アイアンマンやキャプテン・アメリカ、ハルクらと並んで初代アベンジャーズの一員として知られています。演じるのは、米国出身の人気俳優、ジェレミー・レナー。彼はこの「アベンジャーズ」シリーズ以外にも、キャスリン・ビグロー監督作『ハート・ロッカー』(08)でアカデミー主演男優賞など数々の賞にノミネートされ、トム・クルーズ主演の名作シリーズ「ミッション:インポッシブル」の第4弾「ゴースト・プロトコル」(11)と第5弾の「ローグネイション」(15)でも主要キャストとして活躍しています。中国ではやはり「アベンジャーズ」の影響が大きく、近年は「鹰眼」の愛称で親しまれています。
黑豹(hēi bào)
本名:チャドウィック・ボーズマン/查德维克·博斯曼(米歌手)
「アベンジャーズ」シリーズでブラックパンサー役を演じているチャドウィック・ボーズマン。中国人にとっては覚えにくい本名であることも手伝ってか、すぐに役名の「ブラックパンサー」=黑豹と呼ばれるようになりました。ブラックパンサーが初登場したのは2016年公開の『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』でしたが、その後、単独映画が制作され、「アベンジャーズ」には第3弾と第4弾のいずれにも登場。すっかり定番ヒーローの一人になりました。チャドウィック・ボーズマンは、ここ数年で最も頭角を現した黒人俳優の一人と言えるでしょう。(ミン・イヒョウ、謙)