北京
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<シリーズ記事③は下記リンクからご覧いただけます。https://japanese.cri.cn/20190404/df8c904f-f093-4571-bbeb-58a896104232.html>
中国では、漫画やアニメは文化として決して当たり前の存在ではありませんが、そんな夢のような世界に憧れてファンになってしまう若者が急速に増えています。それはある意味、「ファン経済」にも繋がり、特にアニメファンは「日漫電影」の興行に大きく貢献したとされています。
そのアニメ鑑賞者の男女別割合を見ますと、中国の大手映画サイト「猫眼」によると『ONE PIECE』(中国題:海賊王)は男性が56.3%、女性が43.7%で、『NARUTO -ナルト-』(中国題:火影忍者)は、男性が56%、女性が44%と、「民工漫」は男性ファンが多いことがわかりました。一方、先月7日に公開された『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』(中国題:夏目友人帳)は、女性が61%と優位に立っています。
ONE PIECE FILM GOLD(中国題:航海王之黄金城)
BORUTO -NARUTO THE MOVIE-(中国題:火影忍者劇場版:博人伝)
劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ(中国題:夏目友人帳)
そして、中国公開のタイミングも客足に繋がるといわれています。アニメ作品を含め、日本映画が中国で公開されるのは、日本公開後の翌年になるケースが一般的で、そのスパンは通常6ヵ月から1年であり、管理部門による検閲など様々な要因が考えられます。これが3ヵ月に短縮されれば興行収入増に繋がるとされていますが、2015年に公開された『君の名は。』(中国題:你的名字。)はそれを果たしました。わずか3ヵ月のスパンで中国公開を実現したおかげで、最終収入は5.75億元をたたき出しました。一方、毎年、中国の子どもの日である6月1日を見据えて中国上映を実施してきた『ドラえもん』シリーズも、「タイミング」をバックに好成績を収めています。
君の名は。(中国題:你的名字。)
ヒットを連発中の日本のアニメ映画ですが、中には人気シリーズでありながら中国では3000万元以下に低迷した作品もあります。これからは、いかにファン経済を生かしてベストタイミングで公開していくか、といったことも業界内で大きな課題となるのでしょう。<終>(ミン・イヒョウ 森)