北京
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伝達を受ける瀬田裕子さん
中国を代表するバイオリニスト・故盛中国氏(1941年-2018年9月7日)に日本政府から旭日小綬章を授与するための伝達式が8日、在中国日本大使館内で行われました。盛氏の「音楽を通じた日中文化交流の促進と日中両国民の相互理解増進に対する功績」を讃える叙勲であり、妻でピアニストの瀬田裕子さんが代理で伝達を受け取りました。
横井裕大使
伝達式で横井裕大使は、盛氏の日本との関わり、盛中国・瀬田裕子夫妻が「音楽を通じて日中の架け橋を作った」歩みを振り返り、「現在に至る両国の友好の歩みは盛中国先生をはじめとする先輩たちの努力により一歩一歩踏み固められてきたものである。これからも両国の次の世代の人々が真に相手のことを理解し、様々な交流の機会を通じてお互いに友情を育んでいくことが重要だ」と挨拶しました。
挨拶に立つ瀬田裕子さん
挨拶に立つ瀬田裕子さん
伝達を受けた瀬田さんは、「夫は“音楽は人類の最も美しい言葉である”を信念として、バイオリンとともに、音楽とともに77年間生き抜いてきた。音楽は時を越え、国境を越え、瞬時に人と人の心を繋げてくれる力がある。日中各地、世界各地でこれからも音楽を通して主人の精神を伝承し、日中友好に尽力していく」と決意を表明しました。
関係者とともに記念写真
故盛中国氏は元中国交響楽団一級演奏員、元中国社会芸術協会会長、元中国音楽家協会バイオリン学会会長です。1986年以来、のべ60回以上のリサイタルを日本で開催してきたほか、妻の瀬田裕子さんとともに、中日友好リサイタルを両国で数多く開催してきました。中でも、1995年の阪神淡路大震災直後に行った神戸市内の仮設住宅での慰問公演、2011年の東日本大震災直後に福建省で行ったチャリティ公演などは日本の音楽愛好家に深い印象を残しました。また、盛氏は2000年に日本国外務大臣表彰を受賞しています。(星和明、王小燕)