北京
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23/19
春を迎えた江蘇省無錫市で、毎年大人気の花見イベント「無錫国際桜まつり」が今年も期日どおりに開幕しました。中国の桜の名所として名高い黿頭渚(げんとうしょ)公園の桜が満開になり、世界中から観光客が集まりました。
日本の市民グループによって1987年から始められた植樹活動は今も続けられており、今年で32周年を迎えました。今年は日本の団体から200人余りが参加しており、植樹の他にも日本文化の展示や日本の「東方文化芸術団」による公演など、各種催しでイベントを盛り上げています。日本日中共同建設桜友誼林保存協会の新発田豊会長はインタビューを受けた際に、「毎年訪中団を連れて来て、この桜が綺麗に咲くように、育てていきたい。無錫の皆さんにも是非楽しんでいただいて、共に美しい公園にしていきたい」と語りました。
黿頭渚公園は太湖のほとりに位置しているため、水上からの花見も、楽しみ方の一つとして人気を呼んでいます。船に乗って、霧がかった太湖ならではの景色を楽しみながら、岸辺の花を鑑賞するのも一興です。船内には、無錫の無形文化財である刺繍や、「無錫オペラ」、「留白竹刻」などの伝統芸能の展示・実演も用意されていて、より深く無錫の魅力を感じられます。
また、夜になると色鮮やかなライトアップが施され、満開の桜の花が美しい光の中に浮かび上がります。春の風に揺れる夜桜は、ロマンチックな雰囲気を漂わせ、中国江南地方の景色に溶け込むため、遠くから眺めるとまるで絵巻物のような風景が広がります。
近年、中国の若者たちの間では、漢服を身につけて花見をすることが人気です。上海からの大学生はインタビューを受けた際に、「明るいうちに満開の桜を楽しみましたが、夜になるとライトアップされた夜桜の美しさに本当に感動しました。漢服を着て花見に来て良かった」と語りました。
無錫の桜は、昼の花見、夕暮れの花見、そして夜の花見と、1日を通して春ならではの美しさを市民や観光客たちに見せています。 来年はまた、新しい桜の木が増えて、新しい表情を見せてくれることでしょう。今だけの無錫の風景に出会う、一期一会の旅はいかがでしょうか。(取材:とんとん、王ギ)