昨年、台湾地区で興行収入1位だった『比悲傷更悲傷的故事（More than Blue）』が3億元超の成績で1位に君臨。台湾映画が大陸で1位に登場するのは史上初の快挙ということで大きな話題となっています。一方、日本映画では、前週公開の『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ（中国題：夏目友人帳）』に続き、『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ～2人の英雄～（中国題：我的英雄学院：两位英雄）』が4位に初登場。日本映画の2週連続公開で、2作品同時エントリーとなりました。
～作品紹介～
【1位】比悲傷更悲傷的故事（More than Blue）
公開日：2019年3月14 日
監督：林孝謙（リン・シャオシェン）
主演：劉以豪（リウ・イーハオ）陳意涵（チェン・イーハン）張書豪（チャン・シューハオ）陳庭妮（アニー・チェン）
昨年11月に台湾で記録的なヒットとなった『比悲傷更悲傷的故事』が大陸での上映をスタート。本作は韓国映画『悲しみよりもっと悲しい物語』（2009）のリメイクで、台湾の林孝謙（リン・シャオシェン）監督がメガホンを取り、ロマンチックなカメラワークで知られる香港の関本良（グァン・ブンリョン）が撮影監督を担当しています。共に家族を失った男女の恋愛模様を描くストーリーで、劉以豪（リウ・イーハオ）や陳意涵（チェン・イーハン）、張書豪（チャン・シューハオ）、陳庭妮（アニー・チェン）という人気キャストに加え、石知田（シー・チーティエン）や姚愛甯（ヤオ・アイニン）、大慶（ダーチン）、禾浩辰（ハー・ハオチェン）というフレッシュな顔ぶれとなっています。日本公開は未定。
【2位】キャプテン・マーベル（中国題：驚奇隊長）
公開日：2019年3月8日
監督：アンナ・ボーデン ライアン・フレック
主演：ブリー・ラーソン サミュエル・L・ジャクソン ベン・メンデルソーン ジャイモン・フンスー リー・ペイス ラシャーナ・リンチ ジェンマ・チャン アネット・ベニング クラーク・グレッグ ジュード・ロウ
「マーベル・コミック」のキャラクター、キャロル・ダンバース＝キャプテン・マーベルを主人公とするスーパーヒーロー映画の最新作『キャプテン・マーベル（中国題：驚奇隊長）』が中国で絶賛上映中！本作は、アベンジャーズ結成以前の1990年代を舞台に、過去の記憶を失った女性ヒーロー、キャプテン・マーベルの戦いを描くもので、「キャプテン・マーベル」シリーズの第1作でありながら、様々な「マーベル・スーパーヒーロー」が競演し、同一の世界観で作られたクロスオーバー作品群『マーベル・シネマティック・ユニバース』シリーズとしては21作目になり、同シリーズで初めて女性ヒーローが単独で主役となった映画作品にもなります。日本では3月15日から公開されています。
【3位】グリーンブック(中国題：緑皮書)
公開日：2019年3月1日
監督：ピーター・ファレリー
出演：ヴィゴ・モーテンセン マハーシャラ・アリ リンダ・カーデリーニ
2019年度第91回米アカデミー賞の最優秀作品、助演男優、脚本の主要3部門の受賞を果たした超話題作『グリーンブック（中国題：緑皮書）』がトップ3をキープ。黒人ピアニストと彼に雇われた白人の用心棒兼運転手が、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を手に人種差別が残るアメリカ南部を巡る人間ドラマで、白人役を『ロード・オブ・ザ・リング』『はじまりへの旅』などのヴィゴ・モーテンセンが、黒人役を『ムーンライト』などのマハーシャラ・アリが好演しています。
【4位】僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ～2人の英雄～（中国題：我的英雄学院：两位英雄）
公開日：2019年3月15日
監督：長崎健司
主演：山下大輝 三宅健太 岡本信彦 佐倉綾音 石川界人
日本では2018年8月に公開された、人気コミック『僕のヒーローアカデミア』の初劇場版『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE 2人の英雄（ヒーロー）』が、3月15日に『我的英雄学院：両位英雄』の中国題で一般公開スタート。『週刊少年ジャンプ』で連載中の原作は、人口の約8割が「個性」と呼ばれる超常能力を持つ世界を舞台に、主人公のデクこと緑谷出久が、最高のヒーローを目指す姿を描くもの。劇場版は原作で描かれていないオリジナルストーリーの展開となっています。中国では、マンガを原作とした同アニメ版が、動画共有サイト「bilibili（ビリビリ）」で配信されており、同サイトの「熱血系」アニメの視聴率ランキングで1位に輝いていることから、同劇場版を期待している中国ファンも少なくありません。
【5位】ヒックとドラゴン3（中国題：馴龍高手3）
公開日：2019年3月1日
監督：ディーン・デュボア
主演: ケイト・ブランシェット クリステン・ウィグ T・J・ミラー ジェラルド・バトラー クリストファー・ミンツ=プラッセ ジョナ・ヒル ジェイ・バルチェル ジャイモン・フンスー アメリカ・フェレーラ クレイグ・ファーガソン
全世界で絶大な人気を博したドリームワークスの3Dアニメシリーズ『ヒックとドラゴン』の3作目に当たる最終章がトップ5をキープ。5年ぶりとなるこの新作で、主人公の中国語吹替には人気若手俳優、劉昊然（リウ・ハオラン）が抜擢されています。日本公開は未定。
【6位】アリータ: バトル・エンジェル (中国題：阿麗塔：戦闘天使)
公開日：2019年2月22日
監督：ロバート・ロドリゲス
主演：ローサ・サラザール クリストフ・ヴァルツ ジェニファー・コネリー マハーシャラ・アリ エド・スクライン ジャッキー・アール・ヘイリー キーアン・ジョンソン
『タイタニック』（1997）や『アバター』（2009）などを世に送り出した巨匠ジェームズ・キャメロン監督が脚本と制作を担当した最新作は、木城ゆきとの漫画『銃夢』を原作としたサイバー・アクション『アリータ: バトル・エンジェル (中国題：阿麗塔：戦闘天使)』。本作は、原作漫画の1～4巻を中心に、あどけない外見と驚異的な格闘スキルを併せ持つサイボーグ少女・アリータが、彼女を破壊するために次々と迫り来る敵たちと戦う様子を描くもので、監督は『シン・シティ』などのロバート・ロドリゲス。
【7位】劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ（中国題：夏目友人帳）
公開日：2019年3月7日
監督：大森貴弘 伊藤秀樹
主演：神谷浩史 井上和彦 小林沙苗 藤村歩 村瀬歩
2018年9月に日本で公開された『劇場版 夏目友人帳 うつせみに結ぶ』が『夏目友人帳』の中国題で一般公開中！この作品は緑川ゆきの人気コミックを原作とするテレビアニメ「夏目友人帳」の劇場版で、テレビ版第1～4期の監督を務めた大森貴弘を総監督に、原作者監修によるオリジナルエピソードを描いたものとなっています。ファンが多い中国では9日目で興行収入1億元を超え、日本映画として歴代10位となりました。
【8位】流浪地球(The Wandering Earth)
公開日：2019年2月5日
監督：郭帆（グオ・ファン）
主演: 屈楚蕭（チウ・チュウシャオ）李光潔（リー・グァンジエ）呉孟達（ンマンタ）趙今麦（チャオ・ジンマイ）隋凱（スイ・カイ）
2000年に発表され、日本でも翻訳出版された劉慈欣（リュウ・ジキン)の短編『流浪地球（さまよえる地球）』を初映画化した同名映画がロングヒット中！本作は、太陽が数百年以内にヘリウム・フラッシュ（大爆発）を起こして赤色巨星化するという危機に直面した人類が、「地球を連れて」太陽系脱出計画に乗り出すというドラマチックなストーリーとなっています。この作品をきっかけに、今年はさらに多くの国産SF映画が制作され、ドラマやゲームなどの分野でもSFブームが巻き起こることは間違いないでしょう。
【9位】過春天(The Crossing)
公開日：2019年3月15日
監督:白雪（バイ・シュエ）
主演:黄堯（ホァン・ヤオ）孫陽（スン・ヤン）湯加文（タン・ジャーウェン）倪虹潔（ニー・ホンジエ）江美儀（ジャン・メイイー）寥啓智（リウ・カイチー）焦剛（ジャオ・ガン）
「トロント国際映画2018」のNETPAC賞オナラブル・メンションや、中国山西省で開催される「平遥（ピンヤオ）国際映画祭2018」ロベルト・ロッセリーニ審査員賞などを受賞した話題作『過春天(The Crossing)』がいよいよ3月15日に一般公開スタート！深圳に住みながら香港で勉強し、16年間にわたって２つの都市を行き来している少女、佩佩が、友達と一緒に日本で雪を見るという夢を叶えるために、香港から大陸への携帯密輸に手を染め、収拾できない事態にまで発展していく様子を描いた社会派作品となっています。女性監督、白雪（パイ・シュエ）の初監督映画で、あの田壮壮（ティエン・ジュアンジュアン）がエグゼクティヴ・プロデューサーを務めています。なお、今年のアジア版アカデミー＝第13回アジア映画賞(アジア・フィルム・アワード/亞洲電影大獎)では、『カメラを止めるな！』（2018）の上田慎一郎監督と並んで、白雪も新人監督賞にノミネートされています。主演の黄堯（ホァン・ヤオ）は中国の新鋭女優で、今作で「平遥（ピンヤオ）国際映画祭2018」費穆奨の最優秀主演女優に輝いているほか、第13回アジア映画賞の主演女優賞へのノミネートも果たしています。
【10位】陽台上（On the Balcony）
公開日：2019年3月15日
監督：張猛（チャン・メン）
主演：周冬雨（チョウ・ドンユイ）王鏘（ワン・チャン）
2010年の東京国際映画祭にも出品された『鋼のピアノ（原題：鋼的琴）』の張猛（チャン・モン）監督の最新作『陽台上（On the Balcony）』が3月15から公開中。主演は張芸謀（チャン・イーモウ）作品『サンザシの樹の下で』で鮮烈なデビューを飾り、『七月と安生』や『恋するシェフの最強レシピ』『後来的我們（Us And Them）』など様々な話題作で大活躍中の周冬雨（チョウ・ドンユイ）と若手俳優の王鏘（ワン・チャン）。都市開発が進み、「取り壊し工事」つまり住宅の移転作業が続く中国上海が舞台で、王鏘演じる主人公の張は、家の取り壊しにより父が自殺に追い込まれてしまったことから、父の仇を討つために取り壊しの張本人である廬の娘に目をつけます。しかし、復讐の道を歩む彼は、利用するための存在であったはずの彼女に複雑な感情を抱くようになり……。本作は、『鋼のピアノ』と同様、全編フィルム撮影に挑戦しており、より臨場感のあるこだわりの映像が楽しめます。（ミン・イヒョウ、梅田謙）
