北京
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テイラー・スウィフト、ベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストン……、世を騒がせる芸能界のビッグネームたち。そんな海外セレブの「ちょい長」な名前に戸惑うこと、ありますよね?それが中国語になると尚更、「泰勒・斯威夫特」「本尼迪克特・康伯巴奇」「湯姆・希徳勒斯頓」……、一目見ただけで「面倒くさい!」と思う人も多いハズ。そのため中国では、彼らを呼びやすくする目的でファンたちが愛称を付け、それが定着するという、ユニークな現象が起きています。
このシリーズでは、海外セレブたちの中国での愛称を解説付きで紹介!理由を聞けば納得間違いなしの様々な「ニックネーム」は、話のネタだけでなく、中国の「今」を理解する鍵にもなることでしょう!
第23回は、頼もしい紳士像にピッタリの「~叔(おじさん)」という愛称で呼ばれるスターたちにフォーカスオン!コリン・ファース(脸叔)やヒュー・ジャックマン(狼叔)もそうだといえば、大体のイメージがわかることでしょう。今日はそんなジェントルマンの方々の登場です。
拔叔(bá shū)
本名:マッツ・ミケルセン/麦斯·米科尔森(デンマーク出身の俳優)
マッツ・ミケルセンはデンマーク女王よりダネブロー騎士勲章を授与されるなど、デンマークを代表する名優の一人。現在、ハリウッド映画で活躍していますが、その中国での愛称である「拔叔」は、唯一の主演ドラマから来たそうです。中国でも話題になったそのドラマとは、トマス・ハリスの小説『レッド・ドラゴン』を原案に制作されたサイコホラー『ハンニバル』で、ミケルセンは主人公のハンニバル役を演じています。ハンニバルの中国語訳が「漢尼抜」であることから、その役名から一字を取って「拔叔」の愛称が誕生したわけです。「ハンニバル」の「バルおじさま」ということになりますね。
牙叔(yá shū)
本名:フレディ・マーキュリー/佛莱迪·摩克瑞(英歌手)
クイーンのボーカリストとして知られる伝説的な歌手、フレディ・マーキュリー。彼の生涯を描いた2018年の伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』が欧米や日本などで大ヒット、さらに米アカデミー賞の作品賞と主演男優賞を含む5部門にノミネートされたことで、クイーン・ブームが世界的に再燃したため、ボーカリストのフレディも再び注目される存在となりました。フレディのトレードマークと言えば、前4本の出っ歯かもしれません。『ボヘミアン・ラプソディ』で彼の役を演じたラミ・マレックは、それを再現するために義歯をつけて演技したそうです。これでお分かりかと思いますが、フレディの愛称「牙叔」の「牙(日本語で「歯」の意味)」はその出っ歯が由来なのです。ちなみに、映画『ボヘミアン・ラプソディ』は、3月22日から中国でも一般公開されることが決まっています。
米叔(mǐ shū)
本名:アーミル・カーン/阿米尔汗(インドの俳優)
近年中国で人気上昇中のインドの国民的スター、アーミル・カーン。いまや、「米叔」の愛称で呼ばれ親しまれていることからも、中国での人気が垣間見えます。「米」はその中国名「阿米尔汗」から、「名前+叔」の典型的スタイルですが、中国には「米」という苗字があるため、より親近感があります。
(ミン・イヒョウ、謙)