北京
PM2.577
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聞き手:王小燕、梅田謙
中国を代表するヴァイオリニストである故・盛中国さんの妻、ピアニストの瀬田裕子さんに引き続きお話を伺います。
これまでの番組でも紹介してきましたが、盛中国さんは1941年、音楽一家の長男として戦時下の重慶で生まれました。1954年、中央音楽学院付属中学校に入学。1960年には国家派遣留学生に選ばれ、モスクワ音楽院に入学して、レオニード・コーガン氏に師事します。1962年、チャイコフスキー国際音楽コンクールで栄誉賞を受賞。64年に卒業、帰国。65年から中央楽団(現・中国国家交響楽団)所属の独奏ヴァイオリニストに。改革開放の後、世界の舞台に世界的なレベルをもって立った最初の中国人ヴァイオリニストとして歴史に足跡を残し、日本との友好交流にも生涯をかけて尽力してきた盛中国さんでしたが、2018年9月7日、北京で永眠しました。
一方の瀬田裕子さんは、5歳から正式なピアノ教育を受け、1974年には東京交響楽団とモーツアルトの<2台のピアノのための協奏曲>を演奏しました。1983年に国立音楽大学器楽科ピアノ専攻を卒業。1986年、欧州諸国をめぐり、研鑽を積み、帰国後、第3回日本国際音楽コンクールの審査員として日本を訪れた盛中国さんと出会い、その伴奏を務めて好評を博しました。これがきっかけとなって、中国各地から招聘を受け、北京、上海、広州などで、デュオ・リサイタルを開催、好評を受けてきました。1994年に盛中国さんと結婚。その後、「黄金のコンビ」として知られるようになる二人は、中日両国で音楽を通した友好交流活動をライフワークとして展開してきました。
シリーズインタビューの最終回となる今回は、クラシック音楽の演奏家としての瀬田さんに、音楽が果たせる役割、今の心境、今後の進む道、今年の計画をめぐりお話を伺います。
瀬田裕子さんと盛中国さんの愛情は、夫婦間のものにとどまらない、国境と民族を超えた人間同士の大きな愛です。そして、お二人にとっての音楽は、人間が生きる上で最もピュアな、美しいものの結晶として継承されてきた文化そのものなのでしょう。お二人の愛と音楽は、これからも永遠に続くのだと、そんな感想を強く抱けた今回のインタビューでした。
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◆【お便り抜粋】
★愛知県/ゲンさん:
瀬田裕子さんの3回目、完結編のお話も感動しました。