北京
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『地久天長(So Long, My Son/さらば、息子よ)』
世界三大映画祭の一つとして知られるベルリン国際映画祭の69回目の授賞式が現地時間16日に開かれ、王小帥(ワン・シャオシュワイ)監督の最新作『地久天長(So Long, My Son/さらば、息子よ)』(2019)で主演を務めた俳優の王景春(ワン・ジンチュン)と女優の咏梅(ヨンメイ)が最優秀男優賞と最優秀女優賞である「銀熊賞」をそれぞれ獲得しました。ベルリン国際映画祭で同一作品から男優賞と女優賞を同時受賞したのは中国史上初の快挙です。
王景春(ワン・ジンチュン)
王景春は1973年新疆生まれで、上海戯劇学院演技学科卒業。2013年に『オルドス警察日記』により第26回東京国際映画祭コンペティション部門で最優秀男優賞を受賞。2014年には、彼が出演した作品『薄氷の殺人(原題:白日焰火)』がベルリン最高賞の「金熊賞」を受賞すると同時に、同作品で主演を務めた廖凡(リアオ・ファン)が中国人俳優として初のベルリン最優秀男優賞を手にしました。今回の王景春の同賞受賞は中国人俳優として、廖凡に次ぐ2人目となりました。
王景春(ワン・ジンチュン)&咏梅(ヨンメイ)
一方の咏梅は1970年生まれで、蒙古族出身の女優。これまで、脇役として馮小剛(フォン・シャオガン)監督の『ケータイ(原題:手機)』(2003)や『唐山大地震』(2010)、侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督の『黒衣の刺客(原題:刺客聶隱娘)』(2015)などの話題作に出演してきましたが、久々の主演作で存在感のある演技を見せてくれました。咏梅のベルリン最優秀女優賞受賞は、1992年の張曼玉(マギー・チャン)(受賞作:『ロアン・リンユィ 阮玲玉』)と、1995年の蕭芳芳(ジョセフィン・シャオ)(受賞作:『女人、四十。』)についで中国人女優としては24年ぶりとなる3人目です。
『再見,南屏晚鐘(A Dog Barking at the Moon)』
今年は、コンペティション部門の最高賞「金熊賞」にイスラエル出身のナダブ・ラピド監督作『シノニムズ』が選ばれました。さらに、パノラマ部門に出品された中国人女性監督、相梓(シャン・ズー)の新作『再見,南屏晚鐘(A Dog Barking at the Moon)』(2019)が、LGBTQをテーマにした映画に与えられるベルリン国際映画祭の独立賞のひとつである「テディ賞」の審査員特別賞を受賞しました。(ミン・イヒョウ 星)