北京
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23/19
春節(旧正月)の過ごし方として映画館に足を運ぶことが定着している中国。業界では今年も熾烈な商戦を展開しています。周星馳(チャウ・シンチー)、成龍(ジャッキー・チェン)、韓寒(ハン・ハン)、寧浩(ニン・ハオ)などのビッグネームが並ぶ中、春節の売上高で堂々1位に輝いたのは、初の国産SF超大作として期待される『流浪地球(The Wandering Earth/さまよえる地球)』でした。連休最終日である今月10日の段階で何と20億元の大台に迫っていることが分かりました。
この作品は、小説『三体』(2008年発表)の原作者であるSF小説家の劉慈欣(リュウ・ジキン)が2000年に発表した同名の短編小説を原案とし、中国第7世代監督の1人といわれる郭帆(グオ・ファン)監督がメガホンを取っています。数百年以内に太陽がヘリウム・フラッシュ(大爆発)を起こして赤色巨星になるという危機を前にした人類が、太陽系脱出計画を企てるというドラマチックなストーリーで、『三体』の世界観も反映したブロックバスター映画に仕上がっています。
SF映画といえば多くの人がハリウッドを思い浮かべますが、中国映画では未開発分野といえます。特にAI(人工知能)や宇宙技術、バイオ、ITなどを中心とした所謂「硬科技(Hard & Core Technology)」の要素を取り入れたこの作品は、国内初の試みであったため、公開前から大きな注目を浴びました。この作品をきっかけに、今年はさらに多くの国産SF映画が制作されるとともに、ドラマやゲームなど映画以外の分野でもSFブームが巻き起こること間違いないでしょう。(ミン・イヒョウ 森)
劉慈欣(リュウ・ジキン)&『三体』に関する記事は下記リンクから。
https://japanese.cri.cn/20171220/e7b85366-638b-ed91-8829-b9bebd932c45.html