北京
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星爺(シンイェ)の愛称で知られる周星馳(チャウ・シンチー)は、中華圏で絶大な人気を誇るコメディアンであり、映画監督。1999年の監督主演作『喜劇王(原題:喜劇之王)』を機に、名実共に中国の喜劇王としての地位を固めました。
周星馳は1962年香港生まれで、中学校の頃、李小龍(ブルース・リー)主演のカンフー映画『精武門』を観たことがきっかけで、俳優を目指すようになりました。1980年代には、周潤發(チョウ・ユンファ)や黃日華(フェリックス・ウォン)らの主演ドラマにエキストラや脇役として出演し、俳優として長い下積み時代を経験しました。転機が訪れたのは1989年、主演ドラマの『蓋世豪俠』」が大好評を受け、翌年に、周潤發の名作『ゴッド・ギャンブラー 賭聖外伝(原題:賭聖)』(1990)のパロディとして制作した主演映画『賭聖』も大ヒットし、同作はシリーズ化。これにより周星馳人気についに火がつき、『ファイト・バック・トゥ・スクール(原題:逃學威龍)』(1991)、『キング・オブ・カンフー(原題:武状元蘇乞兒)』(1992)、『詩人の大冒険(原題:唐伯虎點秋香)』(1993)といった名作が次々に誕生しました。さらに、1994年に制作した『チャウ・シンチーのチャイニーズ・オデッセイ(原題:大話西遊)』シリーズはその俳優人生の最高峰とされています。このシリーズは2014年に制作20週年記念版、2017年にエクステンデッド・エディションとしても再上映を果たしています。
周星馳自身が初めて監督を務めたのは1993年の『詩人の大冒険』でしたが、俳優以上に監督としての活躍が目立つようになったのは2000年代以降のこと。2001年の監督&主演作『少林サッカー』は香港映画歴代興行収入の記録を塗り替え、2002年に日本でも公開されて日本ブルーリボン賞をも受賞。この『少林サッカー』で、日本でも一躍有名になったことにより、以降の周星馳監督作品はいずれも日本で公開されるようになりました。
そんな周星馳は、近年になってお正月(旧正月=春節)映画で欠かせない存在となっています。2013年のお正月映画『西遊記〜はじまりのはじまり〜(原題:西游 降魔篇)』(2013)は、5200万人を動員し同年興収1位を記録して、日本を含む12カ国での上映を果たしました。2016年の『人魚姫(原題:美人魚)』は、世界で1億人超を動員し、同年まででアジア映画歴代興行収入No.1を樹立し、2017年に日本でも公開されました。そして、2019年の旧正月に登場する最新作が、『新喜劇之王(The New King of Comedy)』です。同作は1999年公開の『喜劇王』の20年越しの続編ということで、大きく期待されています。(ミン・イヒョウ 謙)