北京
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中国の陝西省考古研究院は2017年から18年にかけ、西咸(せいかん)新区の空港新城雷家村で五胡十六国時代(304~439年)の墓葬の発掘調査を行いました。省内の咸陽原(かんようげん、咸陽市北部の高地)で同時代の墓が密集した形で見つかったのは今回が初めてだと言うことです。
墓地は咸陽市でも標高の高い北原地区にあり、古代に墳墓が密集して築かれたエリアに位置しています。咸陽地区は五胡十六国時代に前後して前趙、後趙、前秦、後秦、大夏などの王朝の支配を受け、うち3つの王朝が長安(現在の西安)に都を定めました。都の周辺にある咸陽は重要な墓葬地区とされました。
同研究院の劉呆運(りゅう・ぼううん)研究員によると、墓地には12基の墓があり、南北に6基ずつ2列に分かれています。副葬品は陶器が中心で少量の銅器や鉄器も出土しました。また、同時代の墓地としては初となる祭祀遺跡と穀類遺物も見つかりました。
劉氏は「墓の配列から完全な状態で残された家族墓地だと確定できます。今後はDNA鑑定により埋葬者間の関係を明らかにしていく」と述べ、今回の発見により咸陽原の五胡十六国時代の墓葬に関する資料が充実し、陝西省関中地区の同時代の墳墓研究が進展したと述べました。