北京
PM2.577
23/19
交流会の様子
サッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会で日本代表をベスト16へと導いた西野朗前監督が12日に北京で、清華大学の学生と交流しました。
今年は中日両政府によって「中日青少年交流推進年」に定められています。その一環として、12日午後、西野前監督と清華大学の学生との交流会が開催されました。交流会は約2時間行われ、西野氏は学生からの質問に答えながら、中国や日本のサッカーについての思いを語りました。
学生との交流を楽しむ西野朗氏(左)
冒頭、中国を含むアジアサッカーへの印象を問われた際に、西野氏は「中国が全然成長していないと感じている」と直言し、「中国のサッカー界がアジアをけん引するくらいにリードしてもらわなければ、アジアのレベルは上がらない。日本、韓国は今、少しリードしてけん引しているが、それ以上に、大国である中国のサッカー界がもっと成長して引っ張ってほしい」と述べ、中国に対する期待を示しました。
また、中国では、サッカーが好きな子どもが進学との狭間で悩み、サッカーを諦める人が多いが、この矛盾をどうすれば解決できるかとの質問に対して、西野氏は、「私は中学から高校に行くとき、3つの高校を受験した。そのうち2つが東京にある進学校だったが、もう一つの高校が自分の行きたい高校で、そこでサッカーをやりたかった。結局、3校とも合格し、親から進学校に行きなさいと言われ、私は親と喧嘩した。今も許してくれていない。うちは特別だったが、日本の場合は、有望な選手であれば、親は大体サッカーを促す。小学校、中学校で、サッカー経験を積み、チャレンジできるということであれば、親は進学とサッカーを並行して考え、子どもの将来を考えた選択をするのが一般的である」と説明しました。
交流会を終えた西野氏は「スタジアムの5万人を前にしても別に緊張することはないが、若い学生の瞳に凝視されると、けっこう緊張した。それでもリラックスした中で交流できて、いろいろな相互理解、疎通ができたことをありがたく思うとともに、こういった活動を増やしていけたらいい」と述べました。
清華大学女子サッカー部の関方さん(左)と蔡鈺敏さん(右)
交流会に参加した清華大学女子サッカー部の関方さんは「西野さんが話した1-0の時は2-0を目指す、2-0の時は3-0を目指すという話が一番印象的だった。リードしているとき、現状に満足して気を緩めると逆転されてしまうケースがよくある。リードしていても、前へ進もうという西野さんの信条にとても同感する。それに、日本の選手は40歳を超えてもまだプレーを続けている人が多いが、それらの選手のしっかりとした自己管理を学びたいと思った」と話しました。
同じく女子サッカー部の蔡鈺敏さんは「これほど長い時間、日本語の会話を聞いたことがなかったので日本語を勉強したくなった。日本の女子代表に関する話があったが、試合でリードされていても、あきらめずに最後まで戦うという姿に感動した」と語りました。(文と写真:斉鵬)