北京
PM2.577
23/19
新春を迎え、2018年の中国ポップス音楽を振り返ってみると、TikTok(ティックトック)などの新しいSNSは様々な音楽ジャンル、特にポップス音楽が広がる重要な舞台となりました。今回の中国メロディーは、そんなティックトックなどで広がるポップミュージックをご紹介しましょう。
紙短情長(紙短くして情長し)
昨年、ティックトックなどの新しいSNSは中国の若い世代を中心に音楽を交流する重要な舞台となりました。「紙短情長(紙短くして情長し)」などのポップス曲はティックトックでヒットした後、若者の間で急速に人気を集め、周りの人々がこの歌のメロディーを口ずさんでいるのを耳にするほどです。
君のことを本当に思っている
雨季になると
君が忘れたいことは
僕が名残惜しいことだ
紙短くして情長し
君への思いは語りつくせない
僕の物語の中は君のことばかり
この歌は山東省のバンド「煙巴児」が作ったもので、ティックトックでアップされると、ユーザー数はなんと数百万人を突破し、コメント数は数十万人に達しました。歌は別れた彼女への思いと昔の幸せな時間を懐かしむ気持ちを表しています。
離人愁(思いの哀愁)
2018年の初夏、「離人愁」という曲がティックトックに上げられると、あっという間に大人気になりました。バラエティ番組の中で頻繁にカバーされただけでなく、道端の露店も客引きするためにこの曲をよく流し、公園では広場ダンスを楽しむおばさん達さえもこの曲で練習をするほどです。それほどまでにヒットした曲は、2018年11月、2018年世界中国語金曲奨を受賞しました。
「離人愁」は22歳の大学生歌手・李袁傑が中国古代の詩歌からインスピレーションを受け、京劇の節回しなどの伝統演劇の要素を取り入れた中国伝統文化の趣に溢れる曲です。歌は銀髪の少年が玉門関を眺め、お酒を飲んだり詩を作ったりする浮世ばなれした様子を描きました。しかし、この歌はティックトックで大ヒットした後、様々な批判の声も殺到しました。ジェイ・チョウをまねているだけで、音楽の基礎理論と作詞レベルが欠けているなどの非難の声がネットで広がっていました。そんな声も上がってはいますが、この若手歌手が音楽の夢を諦めず、より多くの素晴らしい作品で自分の才能を立証することを願っています。
起風了(風立ちぬ)
「起風了(風立ちぬ)」は2018年中国ポップス音楽界で大流行した曲です。この歌は日本の歌手・高橋優の「ヤキモチ」の中国語カバー曲で、曲名は2013年に公開された宮崎駿監督の映画「起風了(風立ちぬ)」のタイトルと同じですが、この二つに関連性はありません。ただ、カバーされた中国語バージョンの歌詞は詩のような雰囲気を醸し出し、人生や成長、夢などの要素を作品の中に取り入れています。この部分では映画「風立ちぬ」と重なるところがあるかもしれません。また、多くの人は曲を聞くたびに、いつも違った感動があると賞賛しています。中国語バージョンの歌詞はこの歌に新しい生命を注ぎ、多くの中国人ファンの共感を呼びました。歌は旅人が故郷に帰る気持ちを歌っています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 紙短情長(紙短くして情長し)
歌詞:
君のことを本当に思っている
雨季になると
君が忘れたいことは
僕が名残惜しいことだ
紙短くして情長し
君への思いは語りつくせない
僕の物語の中は君のことばかり
2曲目 離人愁(思いの哀愁)
歌詞:
僕は世間を歩き
お酒を飲む
酔っぱらい
百花の奥深くに思いきれない哀愁を味わう
郊外に行かず 彼女を待たせないよう
3曲目 起風了(風立ちぬ)
歌詞:
帰るたびに歩いたり止まったりする
少年時代の足跡を辿り
駅に出たところで
意外にもためらう
この怯える気持ちに思わず笑ってしまった