DCコミックのスーパーヒーロー映画『アクアマン（中国題：海王）』が3週連続1位を達成。興行収入は16億元の大台を突破し、2018年中国の年間映画ランキングで暫定4位。また、『スパイダーマン: スパイダーバース(中国題：蜘蛛侠：平行宇宙)』が1.7億超の成績で初登場2位。6月に公開されたドラえもん映画『映画ドラえもん のび太の宝島(中国題：哆啦A夢：大雄的金銀島)』を抜いて、2018年公開のアニメ映画部門で1位となっています。
単位：万元
～作品紹介～
【1位】アクアマン（中国題：海王）
公開日：2018年12月7日
監督：ジェームズ・ワン（温子仁）
主演：ジェイソン・モモア アンバー・ハード ウィレム・デフォー パトリック・ウィルソン ドルフ・ラングレン ニコール・キッドマン
中国で大ヒット上映中の『アクアマン（中国題：海王）』が3週連続1位を達成。海底帝国アトランティスの王女を母に持ち、人間の血も引くアクアマンが、人類を守るためにアトランティスとの戦いに身を投じていく様子を描いています。メガホンをとっているのが、世界的大ヒットを記録した『ワイルド・スピード SKY MISSION』などで知られるマレーシア出身のジェームズ・ワン監督。日本公開は2019年2月8日の予定です。
【2位】スパイダーマン: スパイダーバース(中国題：蜘蛛侠：平行宇宙)
公開日：2018年12月21日
監督：ボブ・パーシケッティ ピーター・ラムジー ロドニー・ロスマン
主演（吹替）：シャメイク・ムーア ヘイリー・スタインフェルド マハーシャラ・アリ ジェイク・ジョンソン リーヴ・シュレイバー ブライアン・タイリー・ヘンリー ローレン・ヴェレス リリー・トムリン ニコラス・ケイジ
マーベル映画といえば、中国でも大ヒットした『ヴェノム』がまだ記憶に新しいですが、そのヴェノムを敵役とする人気ヒーロー、スパイダーマンが主人公の新作も、早くも中国で公開スタート。制作がソニー・ピクチャーズ・アニメーションであることからも分かる通り、この『スパイダーマン: スパイダーバース(中国題：蜘蛛侠：平行宇宙)』はオリジナルアニメ映画となっており、スパイダーマンのアニメ版が中国で公開されるのは史上初！本作の主人公はおなじみの高校生ピーター・パーカーではなく、アフリカ系とヒスパニック系のハーフの高校生、マイルス・モラレス。パラレル・ワールドに存在する異なるスパイダーマンたちがマイルスの住む世界に結集したため、元の世界に戻すためにマイルスが立ち上がるという物語になっています。異なるタイプのスパイダーマンが一挙に登場するのが映画の見所で、3Dの背景に2Dのアニメーションを重ねる独特な映像スタイルも必見です。日本公開は2019年3月8日の予定。
【3位】天気預爆 (Airpocalypse)
公開日：2018年12月21日
監督：肖央（シャオ・ヤン）
出演：肖央（シャオ・ヤン）杜鵑（ドゥ・ジュアン）常遠（チャン・ユエン）小瀋陽（シャオシェンヤン）岳雲鵬（ユエ・ユンポン）
王太利（ワン・タイリー）とのデュオ・筷子兄弟（チョップスティックス・ブラザーズ）で知られる肖央（シャオ・ヤン）が監督と主演を務めるファンタジーコメディ『天気預爆 (Airpocalypse)』が12月21日に一般公開スタート。本作は、「風・雨・雷・稲妻」といった天気を司る神々を中心とした古代神話の要素を喜劇に融合させたスタイルの作品で、ひょんなことから神との交流ができるようになった心理医師が神々と共に世界を危機から救い出す物語となっています。歌手として「小苹果」を大流行させた肖央（シャオ・ヤン）ですが、俳優としても近年『唐人街探案』や『情聖』といった話題作に立て続けに出演しています。今回は監督と主演ということで、かつての活動で交流のある人気コメディアンで、開心麻花の常遠（チャン・ユエン）や、東北喜劇を代表する小瀋陽（シャオシェンヤン）、漫才師で売れっ子芸人の岳雲鵬（ユエ・ユンポン）らが勢ぞろいしています。ヒロイン役は『ロスト・イン・ホンコン」などで知られる女優でモデルの杜鵑（ドゥ・ジュアン）。
【4位】武林怪獣（Kung Fu Monster）
公開日：2018年12月21日
監督：劉偉強（アンドリュー・ラウ）
主演：古天楽（ルイス・クー）陳学冬（チェニー・チェン）包貝爾（バオ・ベイアル）郭碧婷 （クォ・ビーティン）王太利（ワン・タイリー）
大ヒット作『捉妖記（モンスター・ハント）』（2015）を彷彿とさせる、実写とCGアニメを融合させた時代劇アクションコメディ『武林怪獣（Kung Fu Monster）』が封切られました。明の時代を舞台に、巨額の懸賞金がかかった行方不明の珍獣を探すため、様々なバウンティ・ハンターが動き出す物語となっています。メガホンを取っているのは『風雲 ストームライダーズ』(1998)、『インファナル・アフェア』(2002)、『インファナル・アフェア 無間序曲』(2003)、『インファナル・アフェアIII 終極無間』(2003)、『頭文字D THE MOVIE』(2005)など数々の名作を世に送り出してきた香港の劉偉強（アンドリュー・ラウ）。主演は香港を代表する俳優の古天楽（ルイス・クー）、『小時代（Tiny Times）』（2013）の陳学冬（チェニー・チェン）と郭碧婷 （クォ・ビーティン）、『胖子行動隊（Fat Buddies）』 (2018)で監督デビューを果たした俳優の包貝爾（バオ・ベイアル）と、人気デュオ、筷子兄弟（チョップスティック・ブラザーズ）の王太利（ワン・タイリー）が勢ぞろいしています。主題歌は、人気女性グループ、火箭少女101のメンバー、楊超越（ヤン・チャオユエ）が歌っています。
【5位】となりのトトロ (中国題：龍猫)
公開日：2018年12月14日
監督：宮崎駿
主演：日高のり子 坂本千夏 糸井重里 島本須美 高木均 龍田直樹 北林谷栄
『となりのトトロ』がトップ5をキープしました。上映されているのは、『となりのトトロ』の日本公開から30周年を記念してスタジオジブリが制作した最新デジタルリマスター版、長さ86分の2Ｄ版で、日本語版と中国語吹替版の2バージョンで登場しています。1950年代の日本の田舎を舞台に、草壁一家のサツキ・メイ姉妹と「へんないきもの」たちとの交流を描く心温まるファンタジー。30年前は中国での大規模な一般公開には至りませんでしたが、丸っこくて可愛らしいトトロのキャラクターはキャッチーな劇中音楽とともに中国で大ヒットし、今でも根強い人気を誇っています。
【６位】葉問外傳:張天志（Master Z : The IP Man Legacy）
公開日：2018年12月21日
監督：袁和平（ユエン・ウーピン）
主演：張晋（マックス・チャン）デイヴ・バウティスタ 柳岩（アダ・リウ）楊紫瓊（ミシェール・ヨー）
詠春拳法の創始者でブルース・リーの師匠として知られる中国のカンフーマスター、イップマン＝葉問が題材の映画シリーズの最新作『葉問外傳:張天志（Master Z : The IP Man Legacy）』、本作は2015年公開の『葉問3』の後日譚に当たるストーリーで、詠春拳法の伝承人の一人、張天志の活躍を描くものとなっています。主演は数々のカンフー映画に出演してきたアクション俳優の張晋（マックス・チャン）で、マーベルコミックスの人気シリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のドラックス役で知られる米俳優のデイヴ・バウティスタも出演しています。監督は、「八爺」の愛称で親しまれる名殺陣師の袁和平（ユエン・ウーピン）です。
【7位】パッドマン 5億人の女性を救った男（中国題：印度合夥人）
公開日：2018年12月14日
監督：R・バールキ
主演：アクシャイ・クマール ソーナム・カプール ラーディカー・アープテー
短編小説集『ザ・レジェンド・オブ・ラクシュミ・プラサード』の一編「The Sanitary Man of Sacred Land」を原作として制作されたインド映画『パッドマン 5億人の女性を救った男（中国題：印度合夥人）』が中国で一般公開中。低コストの生理用ナプキンを発明した実業家・アルナーチャラム・ムルガナンダムの実話を描いたもので、日本では12月7日から公開中。
【8位】search サーチ(中国題：網絡迷踪)
公開日：2018年12月14日
監督：アニーシュ・チャガンティ
主演：ジョン・チョウ デブラ・メッシング ジョセフ・リー ミシェル・ラー
今年1月にサンダンス映画祭に出品されて話題となった映画『search サーチ(中国題：網絡迷踪)』がついに中国で公開開始！映画の物語が全編パソコンやスマホの画面上を捉えた映像で進行していくという独特な手法で制作され、業界内でも好評を受けています。Instagram、Facebook、Twitterといった今流行のSNSの履歴や投稿内容などを手がかりに少女の行方不明事件が捜査される中、事件の裏に隠された事実や少女の知られざる姿がどんどん浮き彫りになっていくサスペンススリラーです。メインキャストとして少女を捜す父親役を演じているのは、「スター・トレック」シリーズのスールー役で知られるハリウッドで活躍中の韓国人俳優、ジョン・チョウ。メガホンを取っているのはGoogleグラスだけで撮影したYouTube動画で注目を集めた27歳のインド系アメリカ人、アニーシュ・チャガンティ。日本公開は今年10月26日でした。
【９位】中国合夥人2（Fighting Men of China）
公開日：2018年12月18日
監督：劉亜当（リウ・ヤーダン）
主演：趙立新（チャオ・リーシン）凌瀟粛（リン・シャオスウ）王嘉（ワン・ジャー）董琦（ドン・チー）
陳可辛（ピーター・チャン）監督の2013年の話題作『中国合夥人』の続編が中国で公開スタート。今作でも、前作と同じ趣向で男性3人組のサクセスストーリーを描いていますが、スタッフとキャストは全員新たな顔ぶれとなっています。若手監督、劉亜当（リウ・ヤーダン）がメガホンを取っているほか、中日国交正常化45周年記念・中国映画祭「電影2018」（18年3月8～10日＝東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズ／3月10日＝大阪・阪急うめだホール、11～12日＝梅田ブルク7／3月12～14日＝名古屋・109シネマズ名古屋で開催）で上映され、2019年に日本公開が予定される馮小剛（フォン・シャオガン）監督の『芳華 Youth』（2017）で注目を集めた俳優、趙立新（チャオ・リーシン）が主演を務めています。
【10位】無名之輩 (A Cool Fish)
公開日：2018年11月16日
監督：饒暁志(ラオ・シャオチー)
主演：陳建斌（チェン・ジェンビン）任素汐（レン・スウシー）潘斌龍（パン・ビンロン）章宇（チャン・ユウ）王硯輝（ワン・イェンホイ）
饒暁志(ラオ・シャオチー)監督の舞台劇『蠢蛋』を、ラオ監督本人が映画化した『無名之輩 (A Cool Fish)』がロングヒット中。本作は社会の下層を力強く生き抜く「無名之輩」（一介の民）たちが、ある強盗事件をきっかけに現実と果敢に向き合っていく姿を描いた群像喜劇です。（ミン・イヒョウ、謙）
