北京
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岩井俊二監督に続き、米アカデミー賞最優秀外国語映画賞に輝いた『おくりびと』の滝田洋二郎監督が手掛けた初中国映画『聞煙(ウェンイエン)』がついに完成し、来年2019年に封切られることが分かりました。
滝田洋二郎監督
『聞煙』は中国の小さな田舎町を舞台に、代々受け継がれてきたケーキの秘伝レシピの伝承をめぐり親子が絆を深める様子を描いたもので、『おくりびと』の味わいをも感じさせる感動的な物語となっています。父親役は中国の中堅俳優、張国立(チャン・グオリー)、息子役は韓流グループ、スーパージュニア出身のアイドル、韓庚(ハン・ギョン)がそれぞれ演じており、ヒロイン役は実力派女優の許晴(シュー・チン)が担当しています。
撮影現場の様子(中国雲南省)
撮影現場の様子(中国雲南省)
『おくりびと』で中国でも広く知られている滝田洋二郎監督は『おくりびと』のほかに、『秘密』(1999)、『陰陽師』(2001)、「阿修羅城の瞳」(2005)といった代表作を持ち、人物間の繊細な感情表現に定評があります。
『聞煙』の撮影は、中国の雲南省で2ヶ月間にわたって行われました。数多くの中国人スタッフと撮影に臨んだ滝田監督は、言葉の壁を乗り越えて息のぴったり合った仕事ができたと振り返り、「アカデミー賞受賞から大きな勇気とヒントを受けた。『おくりびと』は非常に日本らしい作品だが、そこから伝わった感情は世界共通のものだった。だから、『聞煙』も同じように、中国人にとっても日本人にとっても、心の琴線に触れるような作品に仕上げたい」と語りました。(ミン・イヒョウ 星)