北京
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日本の瀬戸内海を舞台に、3年に1度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭2019」の中国発表会が18日、北京で行われました。
発表会会場の様子
香川県高松市から駆けつけた芸術祭実行委員会の佐藤今日子事務局次長は、「小さな島々の美しさと、おじいさんおばあさんの元気な姿を実際に見てほしい」とあいさつし、来場を呼びかけました。
総合ディレクターの北川フラム氏は基調講演を行い、「海の復権」という芸術祭のテーマをめぐり、アートと地元の食や伝統工芸などとの掛け合わせにより、過疎化で力を失った島々に輝きと誇りを取り戻すための取組みを紹介しました。発表会では、「瀬戸内国際芸術祭2019」のメインビジュアルである「海中の生物」が持つ意味や、アートツアーに関する説明も行われました。
挨拶する芸術祭実行委員会事務局次長の佐藤今日子氏
挨拶する総合ディレクターの北川フラム氏
瀬戸内国際芸術祭の中国での提携先・HUBART社の孫倩理事長
瀬戸内国際芸術祭への中国人アーティストの出展は、2016年の林天苗氏に続いて、来年は朱哲琴氏、向陽氏などの出展が正式に決まりました。「今後も中国からの出展が増えるだろう」として、主催側は期待を示しています。
発表会では、3人の中国人アーティストによる発表もありました。歌手出身の朱哲琴氏は、小豆島でサンプリングした音声をはじめ、「音」に着目した作品「鐘舎Bell House」を作る計画を紹介しました。「地元住民にとっても憩いの場所になれば」と話し、アプリの開発やSNSを生かした発信の計画も明らかにしました。
続いて、現在は深センを拠点に、「航海」をテーマにアート活動をしている向陽氏は、赤ん坊の頃に母親に抱かれて船で旅をした時の思い出を託したという船のイメージ図を見せながら、「地元の人たちにも好かれ、世界各国のアーティストや観光客との交流の場にできれば」と作品に寄せる期待を話しました。
アーティスト・朱哲琴(DADAWA)氏
アーティスト・向陽氏
「瀬戸芸」の略称で親しまれている瀬戸内国際芸術祭は、2010年に地元香川県、福武財団、アートディレクターの北川フラム氏の連携により始まった、3年に1度開かれる現代アートの祭典です。12の島と2つの港を舞台に、世界トップレベルのアーティストが現代アートを展開すると同時に、アートを道しるべに島々を巡りながら、心癒される風景と島の文化や暮らしに出会うという新しい旅のスタイルも提唱しています。
第四回「瀬戸内国際芸術祭2019」は来年4月26日に開幕し、春、夏、秋の3つのシーズンでそれぞれ開催され、会期は計5カ月にわたるということです。
(取材:王小燕、写真提供:HUBART(瀚和文化))