北京
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詩人・エッセイスト・翻訳家で、北京師範大学特任教授の西川氏(シーチュアン/1963年江蘇省生まれ)に「チカダ賞」と「東京詩歌賞」を授与する式典が6日、北京のスウェーデン大使館で行われました。
「チカダ賞」(中国語「蝉賞」)は、スウェーデンの詩人でノーベル文学賞受賞者のハリー・マッティンソン(Harry Martinson)生誕100周年を記念して、2004年に設立されました。東アジアと西側諸国の詩歌による交流を目的としたこの賞は、これまでに中国、日本、韓国、ベトナムなど、主に東アジアの詩人に授与されています。西氏の受賞理由は、「命の不変性に対する尊重を機微に富んだ形で表現した」とのことです。
ヴァリエ審査委員長(左)とアンナ(Lindstedt Anna)在中国スウェーデン大使(中央)から「チカダ賞」表彰状と記念品を受け取る西川氏
スウェーデンの陶芸家が西川氏の受賞を記念して創作した作品
スウェーデンから駆けつけた「チカダ賞」審査委員長のラーシュ・ヴァリエ(Lars Vargö)氏は、「西氏の詩はジャンル分けが難しいくらい内容が豊かであり、宇宙の形を変えた何かを感じ取ることができる」と高く評価していました。
表彰状を手にした西氏は「1980年代からマッティンソンの詩を読んでいたが、この由緒ある賞をいただいて嬉しく思う」と述べました。
田原氏(左)から「東京詩歌賞」を受賞する西川氏
式典ではまた、今年新設された「東京詩歌賞」の授与式も行われました。日本での第60回H氏賞(日本現代詩人会主催)の受賞者で、翻訳家である田原氏(ティエン・ユアン/1965年、河南省生まれ)と東京大学の阿部公彦教授の共同発案により設けられたものです。東京から駆けつけた田氏は「外国語に訳されても良さがしっかりと伝わっており、世界に通じる素敵な詩を書いている」として、トロフィーを西氏に渡しました。
なお、西氏初の日本語詩選(翻訳:竹内新)について現在、思潮社により翻訳などが進められており、年内にも刊行される予定とのことです。
授賞式には欧陽江河氏、胡旭東氏、樹材氏など中国で活躍中の現役詩人も数多く出席しました。(取材:王小燕)