北京
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中国の言語や文化を紹介し、中日両国の交流を深めることを主旨とする工学院大学孔子学院の設立10周年記念式典が11日、東京都内で開催されました。
孔子学院は中国政府が中国語と中国文化の普及を目指し、世界の大学と共同で設置・展開している非営利の教育機関で、世界各国ですでに1584以上の学院・課堂が設置されています。工学院大学孔子学院は、北京航空航天大学をパートナー校として2008年に設立された、日本では11番目、工科系大学としては初の孔子学院です。
集合写真
11日に開催された記念式典の進行は、工学院大学孔子学院の高橋恵子学院長が自ら務めました。
高橋恵子学院長
式典には、中国文化部の劉徳有元副部長から祝賀メッセージが送られました。劉氏はメッセージの中で、「今年は中日平和友好条約締結40周年であり、今、世界は大きく動いている。その中で、中日両国が目指す大きな方向は平和と友好であろう。この方向性を実現させるためには、両国人民の相互理解が何よりも大切である。中国人が日本をよく知り、日本人が中国をよく知る。これこそが友好の基礎である」として、中日両国民の相互理解を促す面において、孔子学院がますます大きな役割を果たしていくに違いないとの考えを示しました。
元文化部副部長の劉徳有氏
工学院大学孔子学院の理事長を務める、工学院大学の佐藤光史学長は挨拶に立ち、工学院大学孔子学院が設立された10年前のことを振り返った上で、「本校と北京航空航天大学は、どちらも科学技術を得意とする大学であることから、両校の協力によるこの孔子学院は、特徴的な孔子学院となっている。当初からの目的は中国語と中国文化の普及であり、その目的は順調に達成されている。最近は、孔子学院の大きな役割として、パートナー校をはじめとする日中の高等教育機関同士の交流を活性化させることが、非常に大きなミッションになってきている。今後も、両校が得意とする社会のための科学技術、日中友好のための様々な交流を推進していきたい」と語りました。
理事長を務める工学院大学の佐藤光史学長
また、工学院大学孔子学院の副理事長である北京航空航天大学の黄海軍副学長は発言の中で、孔子学院設立の逸話や北京航空航天大学の発展の様子について紹介しました。そして、今後、両校の科学技術面における強みを発揮し、人工知能(AI)やクラウドコンピューティング、バーチャルリアリティ(VR)などの研究成果を生かして、孔子学院による中国語教育を促したいと示すとともに、孔子学院が中国の文化や発展を理解してもらう窓口となっていくことに期待を示しました。
副理事長を務める北京航空航天大学の黄海軍副学長
なお、工学院大学孔子学院では現在、主な活動内容として、日中サマーキャンプや、日中文化交流イベント、中国の季節行事にちなんだイベント、中高生漢語橋コンテスト東日本予選大会を含む交流イベント、語学講座および文化講座などが行われています。(東京特派員:ZHL)