北京
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麗らかな秋晴れが続く、10月の北京。最近、アモイ第六中学校合唱団の子供たちのアカペラ合唱の動画がネット上で大ヒットしています。合唱団のメンバーは楽器を一切使わずに手を叩き、足を踏みならしてリズムを作り出しながらハーモニーを歌い上げます。その純真で無邪気な歌声は、優雅で整然とした動作と相まって、溢れる青春の活力を感じさせます。今週の中国メロディーはそんなアモイ第六中学校合唱団と彼らが歌ったアカペラ合唱曲をご紹介しましょう。
これこそ青春の詩
アモイ第六中学校合唱団が歌った「青花瓷(染付)」のミュージックビデオが2017年12月末にインターネットでアップロードされると、すぐに中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」のツイートランキングでトップとなりました。生徒たちの純粋な歌声は、多くの人たちに青春の思い出を呼び起こし、その純真な眼差し、一糸乱れぬ優雅な動きは青春の息吹を感じさせます。ネット上では「これこそが青春の詩に違いない」と感嘆の嵐が巻き起こりました。
アモイ第六中学校合唱団が披露したアカペラ合唱は楽器を用いず、人間が出す音で打楽器の音色を真似て、歌っています。合唱団を指導した高至凡先生は、手で体の色んな部分を叩いて、色んな音を鳴らすことを試させました。高先生は「例えば、太鼓の音色は胸を叩いて、足を踏みならす音で表現した。これは共鳴の音を引き起こすためだ。小太鼓の音色は拍手の音、ブレイクは指を鳴らす音や手をすり合わせる音などで表現することができる」と説明しました。この独特なアカペラ合唱の形式は「お洒落で格好いい」と生徒たちから喜ばれました。
合唱団を支える情熱溢れる教師ら
第六中学校合唱団が今年3月にリリースしたアカペラ合唱曲「稲香(稲の匂い)」は多くの人たちに今までにないユニークな音楽をもたらしました。今回のアカペラ曲では、生徒たちは教室でリズムに合わせて、手で机とコップを叩きます。リズム溢れる音とともに歌う様子は、これまでにない目新しさを感じさせます。
鮮やかな合唱団の活躍の裏に、実は才能と情熱に溢れる若い教師たちの大きな後ろ盾となる指導がありました。1991年生まれの合唱団の顧問・高至凡先生は音楽教師として、ピアノ、ベース、電子オルガン、タンバリンなどの楽器に堪能なだけでなく、音楽界の友達に合唱団のための編曲を要請したり、伴奏楽器の代わりとなる動作の音を日々、研究したりしていました。「稲香」という曲をアレンジした時、「老高」は仲間と何度も繰り返し検討して、机を叩く音でティンパニーの音色を表現し、コップを叩く音でスネアドラムの代わりをやってみようと決定しました。このような若い教師らの素晴らしい発想があったからこそ、合唱団は「音楽の手品」と讃えられ、一躍、注目の的となりました。
「初恋顔」の努力と汗
アモイ第六中学校のアカペラ合唱団が一躍有名になった後、合唱団の子供たちは「舞台の妖精」と言われました。特に、合唱団の女性生徒・黄雅琪は清らかな可愛い笑顔で、多くのネットユーザーから「初恋顔」と呼ばれました。あるネットユーザーは「彼女の姿を見て、自分の青春の歳月を思い浮かべた」とメッセージを綴ったほどです。
「初恋顔」の黄雅琪は「合唱団の練習は大変だった。手で机を叩く簡単な動作だけでも、数十分間も繰り返して練習しなければならず、手が腫れるほどだった。ただ、大好きだから、ずっと諦めないで練習し続けていくうちに、ようやく手が器用になって、段々とその中から楽しみも味わえるようになった。今、動画が放送された後、両親と親友たちはみんな誇りに思っていてくれる。もちろん私も喜んでいる」と語っています。
アモイ第六中学校合唱団が人気者になった背景には、素晴らしい指導をしてきた先生たちの支援があるだけでなく、合唱団の子供達一人一人が費やした努力と汗の積み重ねもあります。今後も合唱団の子供達がより広い舞台で、より美しい歌を唄うことができることを楽しみにしています。
番組の中でお送りした曲
1曲目 青花瓷(染付)
青空は霧雨を待ち
私はあなたを待っている
炊事の煙が立ち上り
あなたと万里の川を隔てている
2曲目 稲香(稲の香り)
「家が唯一の砦だ」と
あなたが言ったことを覚えている
稲の香りに伴って川が前へ流れていく
微笑んで 子供時代の夢よ
泣かないで ホタルと一緒に逃げよう
田園の民謡はいつまでも心の拠り所
家に帰ろう
最初の美しさに戻ろう
3曲目 魚歌(魚歌)
この歌は福建省の方言で歌った地方民謡で、合唱団の子供たちは指を鳴らす音、拍手の音、足を踏みならす音などに合わせてリズム感あるポリフォニー合唱曲を唄い上げる、とても感動的な一曲です。
歌詞:
小さい時 母さんとよく市場へ行った
私が好きな魚を買ってくれ
この歌を教えてくれた
小さい時 お父さんとよく海辺へ行った
漁船が風雨を冒して海に出る
ホラガイの音に伴いあの歌を唄う