北京
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現地時間の4日夜、中国国家話劇院が文豪・魯迅の小説『阿Q正伝』を題材にした新劇『人生天地間』をイスラエルのテルアビブで初公演しました。
『阿Q正伝』は魯迅が1921年の末頃に完成した中編小説で、辛亥革命前後の中国の農村を舞台にしています。辛亥革命は1911年に清王朝を倒して近代国家を作ろうとした革命のことです。主人公の阿Qは貧乏な農業労働者で、名前さえ知られていない存在でした。
今回の1時間半にわたる公演では、主人公の阿Qしか舞台上に登場しませんでした。阿Qは言葉と身振り手振りで自らの短い人生を表現しました。阿Qが一粒の塵のように死んでしまうシーンでは「ぼくは一体誰、あなたたちは誰?」というナレーションが会場に響きました。深く考えさせられながら幕を閉じた瞬間、いつまでも鳴り止まない拍手が巻き起こりました。
イスラエルで初めて公演したことについて、主演の蘇小剛さんは「ユダヤ民族と中華民族は同じように歴史的な苦難に耐え、再び奮起した。中国とイスラエルはともに文化的根底がある」と話しました。
また蘇さんは「阿Qという人物を演じることは、体力と精神に対する試練であり、一つの生死を経験するほどに心も疲れを感じる。劇はまるで哲学のようで、人類の苦難を反省するものだ」と述べました。
舞台を見たイスターさん(72歳)は一週間前に中国の旅を終えてイスラエルに戻ったばかりで、主人と一緒に中国の新劇鑑賞に来ました。イスターさんは「中国の旅は短かったが、ガイドさんから中国の歴史や文化を教えてもらった。それは劇の理解に役立っている。この劇は生命に関することがテーマ。人生は起伏だらけであることが納得できる」と感想を語りました。(殷、星)
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