北京
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キーワード①
【数字中国】(Shùzì Zhōngguó)[固]デジタル・チャイナ.
リモートセンシング衛星で撮影した映像を用いて、持続可能な開発や農業、資源、環境、地球変化、生態システム、水と土の循環システムなどを管理するプロジェクトを指した言葉です。
これは1998年に米国のアル・ゴア元副大統領が、演説の中で「デジタル・アース」という概念を提起したことに端を発するものです。このデジタル・アースというのは、大量の地理的データを組み込んだ、いわば電子地球儀のようなものと例えられているものです。つまり、高解像度の衛星映像を利用して、地球という星の状況をすべてデジタルデータで把握することを言ったもので、後のGoogle Earthの元にもなったものです。
その後、中国の科学者がそれに呼応する形で「数字中国」のコンセプトを発表しました。そのコンセプトの下に、1999年10月14日、送信型衛星である資源1号衛星が太原にある衛星発射センターから打ち上げられました。この衛星の打ち上げ成功は「数字中国」のメルクマールとされる出来事として記憶されています。
この衛星の打ち上げによって、中国は1:10万縮尺のデジタル地図を作製できるようになり、土地利用や農作物の生産高の見積もり、水資源、地質、鉱産物、都市計画、環境保護及び海岸地域に対するモニタリングなどの重要な情報を集めることができるようになりました。
現在は、「数字中国」の構築を速めるために、中国政府が「インターネット+」などの事業を展開して、「宽带中国(ブロードバンド中国)」の戦略や「国家大数据战略(国家ビッグデータ戦略)」などの実施を推進しています。その他にも、5G技術の研究開発と応用などのプロジェクトを推進しています。
キーワード②
【智慧城市】(zhìhuì chéngshì)[名]スマートシティ.
情報技術と通信技術を生かして、都市運営システムの各情報を収集、分析、統合することによって、民生、環境保護、公共安全、都市サービス、ビジネス活動などを含む様々な需要に効率的なレスポンスを提供する構想を指す言葉です。その目的は情報技術を駆使した都市の管理と運営を実現することにあります。この概念は、既に一般的な概念になりつつあるものですが、世界各国の動きはまちまちです。
また、スマートシティはよく「数字城市(デジタルシティ)」、「感知城市(センシングシティ)」、 「线城市(ワイヤレスシティ)」、「智能城市(スマートシティ)」、「生态城市(エコシティ)」、「低碳城市(ローカーボンシティ)」などの地域開発に関する概念と混用される他、Eガバメントやインテリジェント・トランスポーテーション・システム、スマートグリッドなど各業界の情報化概念と共に用いられたりします。
これはつまり、「智慧城市」には違う重点からの捉え方があるということです。そのカギとなる部分、重点となる部分は、「テクノロジーの応用方法」である場合もあれば、「ネットワークや人の関与レベル」である場合、「スマート効果」である場合もあります。例えば、情報化の進んでいる都市では、人間本位と持続可能なイノベーションの二概念が強調されており、如何に技術と人間が呼応しあって、エネルギーの無駄のない、時短効果の上がる生活ができる都市を作るかという点が重視されています。この捉え方から考えると、スマートさというのは、単にテクノロジーの応用方法だけでなく、人間が如何に関与していくかも大事になって来ます。
中国政府はこのスマートシティへの取り組みを強めており、2012年には国家「智慧城市」試行リスト第一弾を発表、2013年には、国家「智慧城市」試行リストのほかに、国家「智慧城市」技術と基準の試行リストも発表しました。そして2014年、国務院の批准を得て、国家発展と改革委員会、工業と情報化部、科学技術部、公安部、財政部、国土資源部、住宅建設部、交通運輸部が合同で『スマート都市の健全な発展の促進に関する指導意見』を公布、指導意見の各任務を遂行し、スマート都市の建設を健全に秩序よく推進して行くことを各地に求めました。2017年末現在、中国では500の都市が「智慧城市」を建設中、或いは、スマート化に向けた建設目標を掲げています。
中国では大都市に人口があまりにも集中していることから、エネルギー面でのソリューションを提供することが喫緊の課題となっています。早め早めに手を打つことで、現在の生活を便利にするだけでなく、将来の無駄がなくなることが望まれます。