北京
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9月23日は二十四節気の秋分の日です。今年の秋分は中国の農家たちにとって特別な意味があるかもしれません。今年から秋分の日は「中国農民豊作の日」という記念日になり、各地の人々が様々な行事を行い、農家の豊作を祝います。今回の中国メロディーは農家の豊作をテーマにしてお送りしましょう。
春に種まく一粒の粟、秋に成る萬顆の子
「秋」という言葉にはもともと、穀物が成熟した収穫の時期という意味があります。中国は古来より農耕の国で、5000回あまりの春夏秋冬を経てきました。中国人の生活の歴史は「春播秋収(春に播き、秋に収穫する)」歴史と言えるでしょう。中国には「春に種まく、一粒の粟、秋に成る、萬顆の子」という詩句があります。
この秋という豊作の季節になると、田畑のあちこちでは豊作の歌が響き渡ります。秋風が吹きわたると大豆は鈴のような豆のさやを揺らし、稲の穂も笑って腰を曲げ、一面の金色の稲の波が風になびきます。また、真っ赤なリンゴと黄色い梨も成熟した果物の香りを漂わせます。この時期にどこに行っても、豊作の喜ばしい場面と農家の笑顔が見えます。
チベット族の「望果節」
毎年、下半期になると、中国の多くの少数民族が様々な豊作を祝う行事を行います。ショオ族の豊作節、チベット族の望果節、イ族の松明祭りは豊作を祝うと同時に、秋起こしと秋の蒔きつけを迎えます。
例えば、チベット族の「望果節」は毎年、穀物が成熟する季節、つまり、オオカリが南へ飛んでいく時期の前に行います。果望節の日になると、チベット族の人たちは競馬、競いヤク、アーチェリーなどのイベントを行い、また田畑では銅鑼や太鼓を叩いて豊作を祈ります。
自然の贈り物に感謝
浙江省と江蘇省の中部に位置する太湖は、中国五大湖の一つに数えられます。7ヶ月にわたる休漁期を経て、太湖の漁師たちはこの時期にようやく開漁日を迎えます。沿岸に住む人たちは開漁式を行い、漁師たちが大漁で帰港することを祈り、湖からの贈り物に感謝して平安と豊漁を願います。
モーターの轟きと爆竹の音に伴って多くの漁船が出漁し、静かな湖面は数か月ぶりに賑やかになります。果てしなく広がる太湖から漁師たちの「よいしょ、よいしょ」という掛け声が響きます。湖に仕掛けられた網を見てみると、シラウオ、白エビ、ハクレン、タニシなどの数えきれないほどの魚介が元気よく動いています。漁師たちの幸せな笑顔から自然の贈り物への感謝を感じることができます。
番組の中でお送りした曲
1曲目 豊収鑼鼓(豊作の銅鑼と太鼓)
この曲は有名な作曲家で指揮者の彭修文が1972年に制作した管弦楽合奏曲です。農家たちが豊作を祝う喜びを表しました。
2曲目 豊収漁歌(豊漁の漁歌)
1973年に作られたこのバイオリン曲は四つの部分から構成されています。まず、ピアノがイントロを奏で、続いてバイオリンが南海の漁歌の世界へと誘います。続く第2パートでは 「如歌行板(歌のようなアンダンテ)」で、漁師たちが喜んで帰る情景を描いています。第3パートは少し速い「アレグレット」のリズムになります。第2パートの変奏曲で、活力あふれるテーマを表現しています。そして、第4パートは全曲の中で最も抒情的な部分で、港のロマンチックな夜景の絵巻が目の前に広がります。